ドボジョ。最近、土木系理系女子の事を、そう呼ぶ人が増えてきています。同じ建設系の学科でも建築はお洒落なイメージなのに対し、土木は…何となく泥臭いイメージがあるのではないでしょうか。
私は、山梨大学工学部土木環境工学科に入学し、構造力学やコンクリート工学など、いわゆる王道!な土木も学びましたが、3年次に配属された研究室は、白衣を着て、細菌やウイルス、原虫などなど、水中の微生物を扱うような研究室でした。それって土木なの?とよく聞かれますが、私は、これからの土木という学問のあるべき姿とは皆さんの生活基盤を支える設備・資本を単に創造するというだけではなく、持続可能な世をいかに次世代につないでいくかを追求する事だと思っています。
衛生的な水が蛇口をひねれば無限に出てくる。日本にいる皆さんには、それが当たり前ですよね。しかしその『当たり前』を世界のどこにおいても実現するため、様々な研究がいま土木の世界で生まれています。植物や微生物の力を利用し、自然に優しくかつ経済的な水質浄化方法を編み出そうとしたり、微生物の遺伝子配列を読み取ることで川の汚染源を解析できないか模索したり。学問の世界は境界が曖昧で、興味の赴くままに進んでいくうちに最初から考えると想像もつかなかった所に流れついているので不思議です。また、環境にも目をやると、グローバルな視点をもつことが重要になってきます。
私は昨年夏、アリゾナ大学の水環境分野で世界的に有名な先生の研究室に留学する機会を頂きました。到着するやいなや、空港のトイレに日照り続きによる水不足で節水を促す張り紙がしてあるのを見て、世界レベルで現実を捉える必要性を感じたのを憶えています。アメリカでの生活は、最初は不安でいっぱいでしたが、できるだけ周りと関わりあいながら研究するうちに、周りの先生や学生とも打ち解けられ、より広い知見を得ることができました。また、そういった経験自体が自信とモチベーションに繋がりました。
大学生活は、社会人に比べて時間がある分、受け身でいてはもったいないです。好奇心を持って、様々なことに挑戦し、納得いくまでこだわり抜くこと。より多くの人と関わり合い、考え、『自分』を広げ、深めていくこと。学業以外に一所懸命になれることを見つけ、それを言い訳にせず、感謝の気持ちを持って学業と両立する力を養うことも大切です。その過程で得た力が、その後、社会人になった時も役立つのでは、と思います。
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