私は自動車の燃料供給系製品の開発・製造をしている会社で、開発・構造設計の部門においてCAE業務を中心に担当しています。CAEとはコンピュータ技術を活用し、製品設計を事前に検討するための解析ツールです。今日の自動車業界の激しいコスト競争に勝つための最も有効な手段としてますます注目されています。製品開発において性能の向上、挙動の可視化などを目的にCAEを駆使して設計者とともに最適な形状を見つけ出します。
現在、技術研究や社外研修などを通じて更なる知識とノウハウを積み重ねてCAE結果に反映させ、信頼性を高めるよう取り組んでいます。CAEは簡単なようで実は奥が深いです。複雑な形を適正に簡素化したり正しい条件の設定など、設計者とコンタクトして決めていますが結果が実際と合わないときは、なぜ?どうして?と原因を追究し、問題解決に努めています。これも大学で日本設計工学会やロシアの科学技術コンペティションに参加し、培った問題解決能力や考察力が有効に発揮されています。特に円滑に業務を遂行するために事前に「確認」を徹底することを心掛けています。入社当時に上司から間接的に情報を得ていたため、解析条件の確認不足で結果が大きく異なってしまった経験があるからです。
私は聴覚障害者なので、設計者と直接コミュニケーションするために、話す場面では口話(口形を読み取る)で行い、聞く場面では筆談をお願いして特に重要な内容の理解に努めています。もちろん相手のペースを乱さないよう配慮もしています。またプライベートでも社員メンバーの飲み会などに参加して人間関係を深めています。このように大学で学んだ機械工学の専門知識・コミュニケーション技術が非常に役立っています。最終的には会社から信頼される高度なCAEエンジニアを目指して常に応用力を高め、終わりなき進化を継続しています。
最後になりますが、人それぞれ将来のビジョンを胸に筑波技術大学を目指すことと思います。情報保障が完備されていて思うがまま勉学に専念できますし、興味があれば海外への研修訪問する機会も与えてくれます。大学に入ったことで積極的になれたという学生も多く見かけます。何でもいいので興味があればとことん挑戦してほしいです。新しいことに貪欲であり続けるということの大切さに気が付けば、素晴らしい夢を実現できることと思います。
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