些細なことに疑問を抱き、それらをひとつずつ解決していく |
私は学生時代に電波に関する研究をしていました。電波はテレビや携帯電話などさまざまな機器に応用されており、今では生活に無くてはならないものになっています。ですが、電波は目に見えないものなので、自分の身の回りを絶えず飛んでいるなんて想像できないですよね。
このように目には見えない電波も、パソコンを使ったシミュレーションを行うことで、電波が伝搬(でんぱん)していく様子が可視化できます。私は、大学生時代、この電波伝搬シミュレーションを用いて、トンネル内や地下街などを電波がどのように伝搬するのかを解明する研究を行っていました。トンネルや地下街で携帯電話が通じなかった経験はありませんか?私のやっていた研究は、外からの電波が届かない、このような構造物内でも快適な無線通信を環境を整えるために役立っています。
パソコンなどの計算機を使ったシミュレーションは、さまざまな分野で多用されている研究手法です。私がやっていた様な電波のシミュレーションは、『電波伝搬の物理的な知識』と『プログラミングスキル』の2つを駆使する必要があります。これはとても大変で、どちらかひとつが欠けるとシミュレーションは必ずうまくいきません。ですが良い研究成果が出たときには、何とも言えない充実感を感じることができます。
大学での研究はとても難しいことをしているというイメージがあるかもしれません。実際に私も大学入学時はそのようなイメージでした。ですが、実際の研究は『些細なことにも疑問を抱き、それらをひとつずつ解決していく』という流れの繰り返しだと思います。私は大学での勉強が苦手で、成績もあまりよくなかったですが、疑問の解決を繰り返すことで、大学院2年生のときの学会発表にて優秀賞を受賞することができました。皆さんにも、今後の学生生活の中でさまざまな活躍の場があると思います。そんなときに、大舞台に臆病にならずに『ピンチはチャンス』という精神で頑張ってください。
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