ヒトの体は、約40〜60兆個の細胞からできています。遺伝子は、それらの細胞を作っているタンパク質の設計図として機能します。ヒトをヒトたらしめる、あるいは、自分を自分たらしめる理由は、遺伝子のほんのわずかな違いに由来しています。遺伝子の情報は、細胞の中にあるゲノムDNAという生体分子に書き込まれています。ヒトを含む全ての生き物は、ゲノムDNAから必要な情報をRNAにコピーし、タンパク質へと変換したり、ゲノムDNA自身を複製したり、その制御を行なっています。ゲノムDNAは、全ての細胞が持っていますが、私たちの日常生活では、ゲノムDNAを肉眼で見る機会は、ありません。
そこで、今回の実験では、野菜からゲノムDNAを抽出し、実際にDNAの存在を見てみましょう!
今回は、ブロッコリーを用いて実験を行いますが、原理上、他の野菜でも同様に実験可能です。ただし、細胞の破砕しやすさ、夾雑物の多さ、ゲノムDNAの長さ・多さによって、ゲノムDNAの抽出効率は、野菜ごとに変わります。細胞の破砕方法などを工夫して、色々と試してみてください!
はさみを使用します。指を切ったり、家のものを傷つけないように気をつけてください。エタノールを使用します。火事に気をつけてください。必ず先生や保護者と実験をしましょう。
DNAは、塩基・糖・リン酸から構成されるヌクレオチドがつながった生体高分子です。今回は、エタノール沈殿という操作を行って、DNAを抽出しています。DNAのリン酸部分は、細胞のpH条件下(すなわち、中性領域)では、負電荷を保持しています(図7左)。したがって、細胞の中では、負電荷同士が反発し合うため、DNAの分子が無秩序に凝集することはありません。
そこで、塩化ナトリウムや酢酸ナトリウムのような塩を加えます。そうすると、ナトリウムイオンが持つ正電荷とリン酸部分の負電荷が静電的に相互作用し、DNAの負電荷を中和します(図7中)。この状態のDNAにエタノールを加えて、DNAの溶解度を落としてあげると、DNAの分子同士が凝集し、沈殿します(図7右)。この操作を「エタノール沈殿」といいます。エタノール沈殿は、生物系の研究分野で日常的に使う実験操作です。今回の実験では、水層とエタノール層の界面に、凝集したDNAを確認できます。
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