身近な出来事の”なぜ?”に迫り、知的好奇心を探求する |
私は大学院卒業後、地元のガス会社に就職し、現在は都内の国立大学の研究センターに研究員として出向しています。昨今、スマートフォン、スマート家電、スマートハウスなど、”スマート”という言葉が世間を賑わせておりますが、私はエネルギー供給事業に従事する立場として、将来のスマートコミュニティ形成をエネルギー供給の観点からサポートすべく、「スマートエネルギーネットワーク」の研究に携わっています。
「熱科学研究室」でお世話になった金沢大学在学中は、京都議定書の採択が注目を集めた時期であり、CO2排出量削減技術が世界的に重要な課題となっていました。このような背景の中、私は火力発電所の燃焼排ガスのように、高温、高湿、かつCO2濃度が比較的高い排ガスを対象としたCO2分離・回収・固定化システムの研究を行っておりました。ガス会社への入社を希望したのも、当時から注目を集めていた天然ガスの供給を通じ、地域のCO2削減に貢献できると考えたからです。
2011年の震災後、原発の方向性を踏まえたエネルギーのあり方を検討する上でも、天然ガス高度利用の重要性はますます高まっており、持続可能な発展を支えるためには、地域や事業者間の枠を超えた取組が重要になります。
ただ漠然と工学部に入学した私が、今はこのように明確な目的意識を持って業務に取り組む事ができているのは、金沢大学工学部での”気づき”、”学び”、”教え”があったからであると確信しています。「なぜ冷蔵庫の中は冷たいの?」「90℃のサウナには入れるのに、なぜ90℃のお風呂には入れないの?」など、人は誰しも、身近な自然現象に疑問を持つ物です。工学部では、このような身近な自然現象に対する知的探究心を、自らのアプローチで切り開くサポートをしてくれる場です。
身近な自然現象に疑問を持つ→疑問に対して仮説をたてる→仮説を検証する為の手段を考える→手段を実現する為の装置を考える→装置を製作する→装置を使って実験する→仮説の正当性を確認する
工学部は、まさにこの一連のプロセスを経験する事ができる場です。またこの思考回路は、エンジニアにとって重要な資質である事はもちろんの事、人間関係や仕事の悩みなど、これから直面するであろう様々な問題に立ち向かうための有効なツールになります。
工学部で、人としての重要な資質を磨いてみてはいかがでしょうか?
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