流体力学にベルヌーイの定理という法則があります。エネルギーの保存を表す法則ですが、この法則を用いて簡単で高精度の流速計を作ることができます。その工作を通じて定理の意味を理解しましょう。
材料は以下にあるものを使用します。
曲がるストローは喫茶店や100均で入手できます。方眼紙はネットなどで探して入手しましょう。ペットボトルは使用済みのもので十分です。
工作に使う道具を以下に示します。グルーガンは手芸用のもので、ご家庭にない場合はワゴンセールなどで安く入手しましょう。乾燥待ち時間不要で、何でも接着できるので便利です。カッターナイフの使用には気を付けてください。
ドリルかヤスリでペットボトルとキャップに6~7mmの穴を開けます。開ける位置はボトル底から20mmくらい、キャップの中央です。
ストローの1本は曲がり部から両方の長さが同じくらいの長さになるように切断します。もう一方はそのままです。クリップ延ばして、片方はL字型、もう一方はコの字型にします。
グルーガンでストローを固定します。短く切断したほうをL字型クリップと合わせてキャップに固定します。切断しなかったほうは曲がり部から短いほうをペットボトルに差し込んで固定します。水や空気が漏れないよう、しっかりと固定材をつけましょう。水を入れると漏れが分かります。
スチレンボードを適当な大きさに切断し、ストローに沿うようにしてペットボトルに固定しましょう。固定はグルーガンで行います。方眼紙をスチレンボードに貼りつけます。円グラフの中心がストローの曲がり部に一致するようにするのがベストです。
コの字に変形したクリップでストローをスチレンボードに固定します。ストローの角度を可変するためのガイドになります。水を入れてキャップを閉めれば完成です。水面がストローを取り付けた位置から上に10~15mmくらいにくるよう水を入れてください。
ベルヌーイの定理は式(1)に示す速度エネルギー 、位置エネルギー、圧力エネルギーの和が一定になることを示したエネルギー保存則と呼ばれます。
写真のように、ドライヤーの風をキャップに固定したストローの端面に当てます。ストロー端面に衝突した流れは淀むことで風圧が発生します。風圧=運動エネルギーです。
ドライヤーの風をストローの端面に当てるとそこに風圧が加わります。その風圧により液面が押し上げられます。液面の上昇と風圧との関係は以下のようになります。
式(2)と(3)の風圧は等しいので、式(4)にある速度Vの計算式が導かれます。
実験してみました。条件は以下のようになります。
ベルヌーイの定理は翼の揚力や風車の理論、野球などのスポーツボールのカーブやシュートの説明などの様々なところに応用されています。スイスの学者一家に生まれたダニエル・ベルヌーイが1738年に導きました。製作した器具はピトー管と呼ばれ、フランス人のPitotが1973年にパリのセーヌ川ではじめて実験したもので、現在は航空機などの速度計として欠かせないものとなっています。
ベルヌーイの定理を利用した器具や機械にどんなものがあるのか調べてみましょう。
(1)石綿良三「図解雑学流体力学」ナツメ社、pp.218-219、pp.206-209.
(2)日本機械学会編「流れのふしぎ」講談社ブルーバックス、pp.98-109.
(3)“ベルヌーイの定理:楽しい流れの実験教室”. 日本機械学会流体工学部門:楽しい流れの実験教室、日本機械学会のホームページ.
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