発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)は、不純物を含む2種類の半導体、p型半導体とn型半導体を重ね合わせた「pn接合」構造をしていて、p型半導体側からn型半導体側に電気を流すと、接合部分で正の電荷をもつ「正孔」と負の電荷をもつ「電子」とがぶつかって消滅し、その時のエネルギーが「光」となって放出されます。
pn接合で作られている半導体の中で、もう一つ代表的なものが太陽電池です。太陽電池は、光を当てると電気を作ることができ、LEDは電気を流すと光ります。つまり、太陽電池とLEDの構造は同じで、発電しやすい材料を使って作られているのが太陽電池、発光しやすい材料を使って作られているのがLEDなのです。LEDにはいろいろな色(波長)があり、使用する半導体材料の組み合わせによって色が変わります。
LEDが光るためにはエネルギーが必要で、赤色LEDを光らせるより、青色LEDを光らせるほうが高いエネルギーが必要です(図1)。青色LEDを発明した日本人科学者3名が2014年にノーベル物理学賞を受賞したことはとても有名ですが、高いエネルギーで光る青色LEDを発明するのには、たくさんの苦労や工夫があったことでしょう。
LEDと太陽電池とは同じ構造、と説明しました。では、LEDに光を当てると、どうなるのでしょうか。LEDで発電して、その電気でLEDを光らせる実験をやってみましょう。このとき使用するLEDのエネルギーの違いについても意識して実験してみましょう。
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