夕方の玄関や廊下などで、薄暗いけど明かりをつけるほどでもないな・・・でも暗くてちょっと見えにくい、そう思ったことはありませんか?そんな場所に、周囲の状況に応じて明るさを制御する照明はいかがでしょう?マイコンなどを使う手もありますが、今回はアナログ電子回路で多用される「オペアンプ」を使って、明るさを一定に保つ照明を作ってみましょう。
※今回準備する電子部品は秋月電子通商などで入手することができます。
回路図やブレッドボード配線例を参考に回路を作ってみましょう。また、製作例のようにカバーをつけるとカバーの明るさを一定に保つランプができます。LEDの明かりが直接CdSセルに当たらないように注意しましょう。
回路図にあるそれぞれの部品の役割を紹介します。
センサにはCdSセルと呼ばれる部品を使っています。この部品は光が当たると抵抗値が低くなる特性を持っています。この抵抗値が変わると、直列に繋いでいる抵抗とのバランスが変わり、抵抗とCdSセルの間の部分の電圧が変化します。これをセンサ出力として読み取ります。
回路図のU1Aの部品では、オペアンプを比較器(コンパレータ)として使っています。+入力(3番ピン)と-入力(2番ピン)を比較して、+入力の方が高ければ出力(1番ピン)がV+ (5V) になり、-入力の方が高ければV- (0V) になります。電源電圧が5Vとすると、R3とR4の抵抗で比較用の電圧として2.5Vを得ているので、センサの出力が2.5Vより高い(CdSの抵抗値が高い=暗い)と5Vが、2.5Vより低い(CdSセルの抵抗値が低い=明るい)と0Vが出力されます。なお、C1はオペアンプを安定して動かすためのものです(バイパスコンデンサと呼ばれます)。
比較部で出力される信号をなだらかにする回路です。R5とC2のそれぞれの大きさを変えることで、なだらかになる度合いを変えることができます。
RC積分回路には大きな抵抗が直列についているため、大きな電流を流すことができず、そのままLEDを光らすことができません。このようなときに使うのがボルテージフォロワと呼ばれる回路です。-入力と出力をショートさせることで、入力と出力の電圧を同じにしつつ、オペアンプからの直接出力によって大きな電流を流すことができます。
R1, R3, R4の抵抗を変えることで、明るさの設定をすることができます。好きな明るさに変えてみましょう。
今回はLEDへの電流をオペアンプから供給していますが、オペアンプは大きな電力を消費するパワーLEDなどを駆動することはできません。その場合、外にトランジスタやMOSFETなどを追加した定電流回路や、LEDドライバを追加する必要が出てきます。LEDドライバはモジュールとして様々な物が販売されていますが、光量調整できるものの多くはPWM(パルス幅変調)入力するようになっています。定電流回路やPWM波形生成もオペアンプで実現できるので、多めに買ってトライしてみても良いと思います。
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