私は電気電子工学専攻を修了し、現在は電機メーカーで開発職に就いています。私がはじめ工学部を目指したのは「ロボットを作りたい」という思いからでした。しかし、情報理論の授業を受け、誤り訂正符号について学んだことをきっかけに情報通信技術に興味を持ち、学部4年生からは無線通信の研究室に入りました。研究室では、それまで受け身で勉強してきた授業と異なり、研究課題に対して解決の糸口となる論文を探し、理解し、応用する力が求められました。研究をはじめた頃は知らない事も多く、難しい論文ばかりで挫折しかけた事が何度もありました。私は複数端末の干渉問題について研究していましたが、当時世界的には多くの研究者が取り組んでいた一方で、日本ではほとんど先行研究が無く、参考となる論文が英語しかないということも苦労した要因の1つでした。しかし、徐々に知識が増え、英語にも慣れてくると、研究課題に対して「あの論文で読んだ手法は使えないだろうか」と主導的に解決していけるようになりました。こうして研究を進めるうちに無線通信や情報理論の分野がどんどん好きになり、さらに熱中して楽しく研究に取り組んでいった事を覚えています。
大学では自由に使える時間が多くあります。サークルやバイト、遊ぶ事も大切だと思いますが、一生懸命学問に取り組み、自分の好きな分野を見つけて熱中して欲しいと思います。一口に好きな分野を見つけると言っても難しいかと思いますが、まずは分からなくてもやってみることが大切です。理解出来るまで取り組んでみて、合わないと感じたら別の分野に手を出してみる、といったことを繰り返していくと自分の熱中出来る事が見つかるのではないでしょうか。
また、図書館や留学制度等、学問を追究する為に利用出来る資源が大学にはたくさんあり、学生はそれらを自由に活用することができます。私は国内外の学会で10回以上発表する機会がありましたが、全て研究室の費用で参加させて頂き、たくさんの貴重な経験を得ることができました。特に、国際会議では、自分が参考にした論文を書いた著名な研究者の方々とも直接話す機会があり、とても感動し刺激を受けた事を今も鮮明に思い出します。
皆さんも自分が熱中出来る分野を見つけ、技術者として共に成長し社会に貢献していきましょう。
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