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資源学と情報工学を融合させるスマートマイニング

2025年1月31日
秋田大学 国際資源学部 資源開発環境コース
3次元CGモデルとして計算機に復元した岩石3次元CGモデルとして計算機に復元した岩石

 私の研究テーマであるスマートマイニング、つまり情報工学により高度化される採掘について説明します。ご存じの通り、皆さんの身の回りにあるスマートフォンやPCなどの電子機器、自動車や航空機などの製造には多くの非鉄金属が必要です。たとえば今後普及が進むことが予想されるEV車では、銅の使用量がガソリン車の4倍であり、リチウム・コバルト・ニッケルなどレアアースの使用量も多くなります。それら鉱物資源の採掘量を増加させないことには将来的な需要を満足することはできません。しかし比較的地表に近い鉱床はすでに開発が進んでおり、採掘量増加のためにはより深部の採掘(ディープマイニング)が必要になります。ディープマイニングは当然採掘のコストが高くなり危険性も増します。そこで、AI・データサイエンス・先進的センシング技術による無人化・自動化・効率化・最適化の実現がスマートマイニングの目標です。

 スマートマイニング研究の一環として、現在私が特に力を入れているのが資源開発現場におけるドローンとAIの活用です。具体的なテーマの一つはドローン撮影と深層学習による岩石の粒度分布推定です。露天掘り鉱山における岩盤の発破後に生じる発破ずり(破片の山)の粒度を適切にする事によってその後の運搬コストや処理コストの削減に繋がりますが、そのためには粒度を正確かつ効率的に計測する必要があります。そこでドローンによる近距離の空撮によって発破ずりをGPS計測によりスケールを含んだ3次元CGモデルとして計算機上に復元し、深層学習を用いて粒度を推定する研究です。従来は撮影画像中に大きさが既知の物体を写り込ませないとスケールを特定することは困難でしたがGPSの利用により解決しました。

 また、これからより進めたいと思っているのが地下坑内をフィールドとした研究です。地下坑内における採掘では落盤などの恐れから人が立ち入るのが危険なエリアが存在します。そこをドローンでモニタリングする技術の研究開発です。地下坑内は電波が通りにくいため遠隔の操縦が困難でGPSも利用できないため、常に周囲をセンシングし撮影を行いながら自律航行させる必要があり、非常に挑戦的なテーマであると思っています。

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