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生レポート!大学教授の声

これからの時代の学びに大切なのは、誠実さ

2025年10月17日
東京農工大学 工学部 生体医用システム工学科
伊藤 輝将
これからの時代の学びに大切なのは、誠実さゼミの様子:研究室で議論をしていると、
学生から「ちなみにAIはこんなこと言っています」というコメントが出ます。
教える方も適当なことは言えなくなったので緊張感が出てきています。

 皆さんは、これからどんな時代になると想像していますか?
この文章を書いているのが2025年現在で、これから数年は、人工知能(AI)が人間の知能を追い越していく一番面白い時代に入ります。工学部に入れば、どの分野であれディープな世界に浸ることになりますので、この世紀の瞬間をより近いところで目の当たりにできることでしょう。

 私は大学では情報科学を専攻しました。当時はインターネット普及期でしたので、いまと同様に「将来この仕事はどうなる?」の未来予想が話題になりました。ただ、この手の話は半分当たって半分外れるのが常なので、話半分くらいで気楽に聞いておくのが良いと思います。

 とはいえ、既に当たっている予想もあります。1つ挙げるなら、大学教育はまもなく変わらざるを得ない、ということです。例えばレポートを書くことは大学講義の標準的な課題でしたが、調べて書く作業自体、この数年で急激に意味が薄れてきました。もはやレポートを課しても皆さんのやる気を削ぐだけなのかも、と思い始めています。

 さて、そんな時代に私が教員の1人として、これから皆さんに身に付けてほしいことは、
「自分が何を知っていて、何を知らないかを正しく認識して、決してわかったふりをしないこと」
です。これは私が大学で恩師から学んだ大切な心構えです。

 幸か不幸か、私たちはわかったふりをするのがとても簡単な時代にいます。レポート課題に限らず、就職活動のエントリーシートも、取引先への説明資料も、AIを使えば、わかったふりをしてそれなりのものを作成することは簡単になりました。そういう時代になると、AIを使いこなして素晴らしい成果物を出せるかよりも、その人自身が中身をわかっているか、の方が高い価値を持つようになるのは必然かと思います。本物がわかりにくい世の中だからこそ、頼られる人になるためには、知に対する誠実さが重要になるでしょう。

 私の研究室では、学生のAI利用を推進していますが、自分の理解を超えたことを、わかった風に説明するために使うことは禁止しています。逆に、AIから得た情報を自分の知識として吸収し、成長の糧にできるなら、積極的に使って欲しいと思います。私たちの学び方も、時代に合わせて変わっていけば良いのだと思います。

 ようこそ未来のテクノロジーの世界へ。
ぜひ東京農工大に遊びに来てください。ディープな学びとの出会いがあなたを待っています。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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