私たちの生活に必要不可欠な商品や原料といった「物」の流れは増大しています。さらに近年では、Eコマース市場の発展やコロナの流行によって、今までは主に店舗に運ばれていた商品が、消費者のもとまで直接届けられるようになりました。こうした物の流れの変化は、都市に対して渋滞や環境影響など負の影響を与えており、効率的な配送を可能にするための施設配置や施策が必要となっています。さらに、ドローンや自動運転車、配送ロボット等の新たな配送手段の導入が世界中で進みつつあります。物流関連施設の配置や新たな施策・技術の効果を、実際に実験して評価することは現実的ではないため、評価・分析を目的とした交通シミュレーションが必要です。
本研究室ではマサチューセッツ工科大学が開発した都市交通シミュレーションモデル『SimMobility』の枠組みを用いて、都市貨物交通モデルを開発・改良しています。世帯や企業の規模や立地といった情報をもとに、図1に示すような都市内の貨物の動きと、貨物を運ぶトラックの動きをシミュレーションすることができます。モデルを用いることで、物流施設の立地が変わったときの貨物やトラックの動きの変化や、配送時間制限や夜間配送といった物流に関連する施策について評価・分析ができます。
近年では、持続可能な開発が話題ですが、その促進のためには関連する施策を適切に評価することが重要です。貨物交通は生活に必要不可欠なものであり、都市の経済、人々の暮らしとも密接な関わりがあるため、この分野における研究の重要性はますます高まっています。
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