トップページ > なんでも探検隊 > 都市貨物の動きのシミュレーション

なんでも探検隊

都市貨物の動きのシミュレーション

2023年10月17日
東京海洋大学大学院 海洋科学技術研究科 海運ロジスティクス専攻
本島 利希

 私たちの生活に必要不可欠な商品や原料といった「物」の流れは増大しています。さらに近年では、Eコマース市場の発展やコロナの流行によって、今までは主に店舗に運ばれていた商品が、消費者のもとまで直接届けられるようになりました。こうした物の流れの変化は、都市に対して渋滞や環境影響など負の影響を与えており、効率的な配送を可能にするための施設配置や施策が必要となっています。さらに、ドローンや自動運転車、配送ロボット等の新たな配送手段の導入が世界中で進みつつあります。物流関連施設の配置や新たな施策・技術の効果を、実際に実験して評価することは現実的ではないため、評価・分析を目的とした交通シミュレーションが必要です。

図1: SimMobility Freightによるシミュレーションの流れ図1: SimMobility Freightによるシミュレーションの流れ

 本研究室ではマサチューセッツ工科大学が開発した都市交通シミュレーションモデル『SimMobility』の枠組みを用いて、都市貨物交通モデルを開発・改良しています。世帯や企業の規模や立地といった情報をもとに、図1に示すような都市内の貨物の動きと、貨物を運ぶトラックの動きをシミュレーションすることができます。モデルを用いることで、物流施設の立地が変わったときの貨物やトラックの動きの変化や、配送時間制限や夜間配送といった物流に関連する施策について評価・分析ができます。

 近年では、持続可能な開発が話題ですが、その促進のためには関連する施策を適切に評価することが重要です。貨物交通は生活に必要不可欠なものであり、都市の経済、人々の暮らしとも密接な関わりがあるため、この分野における研究の重要性はますます高まっています。

図2:貨物シミュレーションモデルによる出力結果の例
※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2021-11-12

生レポート!卒業生の声

何でもいいから心惹かれるものに没頭する

信州大学繊維学部

2021-03-19

環境への取り組み

ドローンを活用した災害廃棄物の発生量の推定

岩手大学理工学部

2025-02-13

Pict-Labo

液晶レンズが生み出す、驚きの光学技術・未来のテクノロジー

秋田大学総合環境理工学部

2020-06-26

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

きっかけなんて、なんでもいいよね

豊橋技術科学大学

2015-11-19

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

模型飛行機を作って、飛ばそう!

愛媛大学工学部

2022-01-28

なんでも探検隊

橋の裏側にくっつくドローンでプロペラを止めてじっくり点検

京都工芸繊維大学工芸科学部

東京海洋大学
海洋工学部

  • 海事システム工学科
  • 海洋電子機械工学科
  • 流通情報工学科

学校記事一覧

なんでも探検隊
バックナンバー

このサイトは、国立大学56工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。