私たちの身の回りには生活用品や化粧品、医薬品など様々な化学物質があり、科学技術の進歩にともなって日々新たな化学物質が使われ始めています。それらは私たちの生活をより快適に、そして豊かにしてくれますが、それらの安全性はどのように確保されているでしょうか。従来は主にマウスなどの実験動物を用いた試験(安全性試験、毒性試験)が行われてきましたが、近年、動物福祉の問題や動物とヒトの種間差の観点から動物を用いない評価法(=動物実験代替法)への移行が進んでいます。
私たちの研究室では、培養細胞や細胞から人工的に構築した組織を用いて、様々な化学物質の安全性を評価する方法の開発に取り組んでいます。例えば、皮膚に触れることでアレルギーを引き起こす作用(皮膚感作性)は、培養可能なヒト由来の免疫細胞を用いて、その活性化を指標として評価をすることができます。さらに、この免疫細胞を用いた評価系と人工的に構築した皮膚組織や気管支組織などを組み合わせることで、皮膚吸収や代謝、呼吸器での吸入をそれぞれ考慮した評価を行うことができます。そのほか、人工知能(AI)を用いて、化学構造や特性から毒性を予測する技術の開発にも取り組んでいます。
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