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人工知能間、人間―人工知能間の協調を目指して

2018年5月25日
東京農工大学 工学部

 近年、「人工知能」はブームになってきており、社会的にも注目を集めています。そのブームの影響もあり、人工知能の実現に向けて世界中で様々な研究成果が生み出され、研究が進められています。一方で、ひとつの人工知能が完成されたときに、人工知能同士もしくは人間-人工知能間で協調することが重要になってきます。例えば、複数の人工知能が協調することで、一体の人工知能では解決するのが難しい問題を解決でき、より性能の高い複数の人工知能が集まったシステムが実現できる可能性があります。また、人間と人工知能が協調することで、これまで人間や人工知能のみではなしえなかったことが実現できるかもしれません。

 東京農工大学工学部の藤田桂英研究室では、人工知能同士の協調の技術としてマルチエージェントシステムの研究を進めています。マルチエージェントシステムとは、複数のエージェントと呼ばれる知的なソフトウェア(人工知能)が共通のもしくは分散された問題を解決するしくみです。各エージェントは自律的にそれぞれの目的を達成するために動作するために、協調するためにはしくみが必要になります。そこで、本研究室は、エージェント同士が協調するためのしくみを新たに創出し、エージェント同士で意見の衝突が発生した場合に自動で調整する自動交渉に関する研究開発をしています。例えば、自動運転車同士が人間のように道のゆずりあいを行なったり、複数のドローンが共同して作業をすることが可能なります。

 もうひとつの研究項目として、人間と人工知能が協調するためのしくみがあります。例えば、人工知能と人間が自然言語による議論を行う場合、議論がどのような流れで行われているのか、それぞれの意見間に構造はあるのか、自然言語をどのように処理するかなど課題があります。本研究室では、議論マイニングという自然言語による議論データから重要な情報や構造を発見する手法を開発し、それらの結果を用いてファシリテータの発言を自動生成し、議論を調整するしくみを研究しています。

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