トップページ > なんでも探検隊 > ワイヤレスでエネルギーを伝える技

なんでも探検隊

ワイヤレスでエネルギーを伝える技

2022年1月21日
豊橋技術科学大学
未来ビークルシティリサーチセンター 波動工学研究室

 空間を介して離れた場所へ情報やエネルギーを伝える技をワイヤレス技術と呼びます。歴史的に見るとワイヤレス技術の民生応用は20世紀半ばラジオやテレビなどの「放送」から始まりました。21世紀になり携帯電話、スマートフォン、WiFiなどの「通信」がそれに続きました。そして近年、放送・通信に続く第3の矢として「電力伝送」への要望が急速に浮上してきました。放送や通信の目的は情報を伝えることであるのに対して、電力伝送はエネルギーを伝えることが目的です。したがって、送ったエネルギーの何パーセントが受け手側に届くのかという電力効率が重視されます。ワイヤレス電力伝送の研究開発現場では電力効率をどのようにして高めるかということにしのぎを削っています。ワイヤレス電力伝送が実現すると、さまざまな電力機器の利用シーンが大きく広がります。例えばドローンです。ドローンは陸海空での撮影や物品搬送での活用が期待されています。しかしながら、ドローンは搭載できるバッテリー量が限られていることから、一定時間飛行すると、一旦着陸して充電またはバッテリーを交換する必要があります。現在はこの作業を人手で行っています。すなわち、人が近くにいる範囲でしか飛行できません。そこで、もし無人で自動的にドローンに充電できるステーションが開発できればこの問題が解決できます。ドローンがステーションに着陸すると自動的に充電が始まるという仕組みです。自動充電ステーションにより、人が容易に立ち入れない場所、例えば険しい山岳地などでのドローン飛行が可能になります。つまりドローンの活躍範囲が大きく広がるのです。豊橋技術科学大学では東京電力等と共同でドローン無人充電ステーションの開発を進めています。写真は豊橋技術科学大学波動工学研究室での実験の様子です。ワイヤレス電力伝送技術を用いてドローンだけでなく、電気自動車へ走行中給電する実験も行っています。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2025-02-13

Pict-Labo

液晶レンズが生み出す、驚きの光学技術・未来のテクノロジー

秋田大学理工学部

2022-01-28

なんでも探検隊

橋の裏側にくっつくドローンでプロペラを止めてじっくり点検

京都工芸繊維大学工芸科学部

2023-09-29

なんでも探検隊

大気圧高電圧パルス放電を用いたリチウムイオン電池正極活物質リサイクル

茨城大学工学部

2023-02-10

工学ホットニュース

人間と調和する生物型ドローンの研究開発

長崎大学工学部

2021-06-25

生レポート!大学教授の声

熱機関のゼロエミッション化を考えよう!

茨城大学工学部

2023-11-17

工学ホットニュース

脱炭素社会に向けての挑戦~電気化学による水素の製造からアンモニアの利用まで~

秋田大学理工学部

豊橋技術科学大学

  • 機械工学
  • 電気・電子情報工学
  • 情報・知能工学
  • 応用化学・生命工学
  • 建築・都市システム学

学校記事一覧

なんでも探検隊
バックナンバー

このサイトは、国立大学56工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。