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目に見えない電波を測定する部屋

2020年11月20日
九州工業大学 工学部

 私たちの身の回りにはたくさんの電波を利用した機器があります。例えばスマートフォンを使って様々な情報や音声、動画にアクセスする際には、基地局やアクセスポイントとの間を電波を使って通信しています。食べ物を温める際に使う電子レンジも電波(マイクロ波)を使っています。このような電波を使った機器が複数あると、お互いに干渉する可能性があります。電子レンジを使っている時にBluetoothのスピーカの音が途切れたり、Wi-Fi通信の速度が遅くなった経験はありませんか?

 機器が正しく動作し通信を行うためには、機器に実装された通信用のアンテナが正しく電波を放射しているかどうか、不要な電波が出ていないかなどを正確に測定する必要が有ります。しかし、我々の周りにはたくさんの電波が飛び交っているために、測定対象の機器からの電波なのか、外来電波なのかの区別ができません。

①金属で周囲を覆うことで外来の電磁波を遮蔽①金属で周囲を覆うことで外来の電磁波を遮蔽

 そこで、外来の電波を遮断し、測りたい電波のみを測定する装置が必要です。写真の電波無響室は、

  1. 金属で周囲を覆うことで外来の電磁波を遮蔽
  2. 内部を電波吸収体で覆うことにより部屋内部の電波の反射を抑制
する機能を持った電波を測定する部屋です。金属は電波を遮断することができ、金属板で6面を覆うことにより箱の内部へは電波は到達しません。一方、箱の内部で発生した電波は金属面にあたると反射します。そこで、写真のように青い四角錐状の電波吸収体を配置し、壁からの反射波をなくし直接到来する電波のみを測定することができます。部屋の5面を電波吸収体で覆ったものを電波半無響室と呼び、大地からの反射波だけを考慮した地球上の広い平原を模擬できます。床面にも電波吸収体を配置することで6面電波暗室となり、大地からの反射さえない宇宙空間を電磁的に模擬することができます。

②内部を電波吸収体で覆うことにより部屋内部の電波の反射を抑制②内部を電波吸収体で覆うことにより部屋内部の電波の反射を抑制

 九州工業大学ではこの電波無響室を用いて、小型衛星に搭載されるアンテナモジュールの通信特性の評価や情報機器や電力機器から漏れ出る不要電波の測定や予測を行っています。最近では、自動車内の電波環境を評価するためのCISPR 25と呼ばれる測定環境を構築しました。自動運転技術を支える通信技術に対して、電波測定の観点から安定した正確な通信のための研究を行っています。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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