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地球のエンジン「微生物」を感じてみよう

2020年9月18日
長岡技術科学大学 工学部

 微生物とは、肉眼で観察できない生物の総称です。ウイルス、細菌、菌類(酵母、カビ、キノコなど)、微細藻類、原生動物とよばれる生物たちが微生物の仲間です。この微生物を初めて発見したのは、顕微鏡を発明したオランダの科学者・レーウェンフックでした。しかし、この発見の前から人類は微生物を利用し、その恩恵を受けてきました。近代の科学技術の発展とともに、微生物のもつ様々な能力が明らかになり、微生物はより広い産業分野で活用されてきました。このように、生物の持つ能力を上手に利用し人間の生活に役立たせる技術をバイオテクノロジーといいます。バイオテクノロジーの例として、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生の研究は、土の中で生きていた微生物を獲得し、その微生物が生み出す化合物から生み出された薬によるものです。

糸状菌(トリコデルマ・リーセイ)糸状菌(トリコデルマ・リーセイ)
酵母(リポマイセス・スターキー)酵母(リポマイセス・スターキー)

 微生物を産業的に利用するには4つの段階があります。それは①微生物の獲得、②微生物の基礎的研究、③微生物の応用的研究、④微生物の大量培養、になります。なかでも①微生物の獲得(スクリーニング)と④微生物の大量培養は近年注目されてきています。これまでの私たちの生活に役立っている微生物も初めはスクリーニングによって獲得されてきましたが、この数は実際の地球上に存在する微生物の0.001%未満であることが、近年判明してきました。そのため、残り99.99%の微生物のなかからより有用な微生物をスクリーニングするためには、これまで以上に高効率なスクリーニング手法を確立することが必要となります。また、微生物の大量培養というのも、新たな手法による取組みが必要よされています。大量培養には1,000Lもの大きな容器を使って微生物を育て、製品化を行います。この容器の制御は複雑かつ経験で培われた知見と操作が必要であり、長年「匠のわざ」として機械に任せれない分野でもありました。より高効率・高品質な製品化のために、この「匠のわざ」をAIによって再現しようという取組みも始まっています。

 私たち生物資源工学研究室では、このような微生物をあつかう技術や微生物自体、その生み出す物質やについて研究し、産業への応用を目指しています。また、微生物研究について考えてほしいという思いから、高等専門学生を対象に「発酵を科学する」アイディア・コンテストを開催しています。研究により得られた知見を応用技術へと発展させることで、持続発展可能な社会の実現を目指しています。

第3回発酵を科学するアイディア・コンテスト第3回発酵を科学するアイディア・コンテスト
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