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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

色鮮やかな天然色素を調べてみよう

2024年2月9日
広島大学 工学部

 植物や微生物は多種多様な天然物生理活性物質を生産します。今回は食品に含まれる天然色素に注目し、ペーパークロマトグラフィーを使って調べてみましょう。

用意するもの

  • ろ紙(水彩画用紙もOK)
  • 円筒形のプラケース (1リットル容)
  • 割り箸
  • アルミ箔
  • 綿棒
  • ハサミ
  • 定規
  • 消毒用エタノール
  • 天然色素(写真左からパプリカ色素・抹茶・カレー粉)

実験手順

  1. 画用紙を4 cm x 20 cmの長さに切ります(容器の大きさによってサイズは変えてください)。
  2. 画用紙の底辺から2 cmのところに線を引き、1 cm間隔で鉛筆で印を付けます。
  3. 色素溶液を作製します。耳かき1杯程度を2滴分(約0.1 ml)のエタノールで溶かしてください。
  4. (3)の色素溶液を綿棒に染みこませ、(2)の画用紙の印にスポットします。
  5. (4)の画用紙の上端を割り箸に挟みます。
  6. 円筒形プラケースに溶媒を1 cm高まで入れます(今回の実験では、エタノールのみとエタノール・水の2:1混合溶媒の2種類を用意します)。
  7. (5)を(6)にセットし、アルミ箔でしっかり蓋をし(溶媒の蒸発を防ぐため)、ペーパークロマトグラフィーを開始します。
  8. 適当な高さまで溶媒が上昇したらプラケースから取り出します。
  9. 色素がどこまで上がったか確認しましょう。

原理・解説

 ペーパークロマトグラフィーとは、紙と液体(溶媒)を使って物質を分離する方法です。紙の端を溶媒に浸すと、毛細管現象によって溶媒が上昇していきます。その際、物質が溶媒に溶け、溶媒と一緒に上昇していきます。物質の移動距離(移動度)は、それぞれの物質の溶媒に対する親和性の違いで変わってきます。今回の例では、パプリカ色素・抹茶・カレー粉は、エタノール溶媒では溶媒上端の位置まで移動しています。一方、エタノール・水の2:1混合液の場合は、パプリカ色素は最初の位置から移動していません。このように溶媒の種類によって劇的に移動距離が変わりますが、これには物質の親油性・親水性が関わっています。同じ物質が存在していたら、あらゆる溶媒で同じ位置まで移動するので、物質の存在の有無を確認することが出来ます。

 以下に微生物(放線菌)が生産する色素もペーパークロマトグラフィーをしてみました(寒天培地に生育した放線菌のうち、左側が青色色素を生産する放線菌です)。同じような赤色色素でも、違う位置に物質が移動しています。このクロマトグラフィーの原理を利用して、微生物や植物が生産する色素や抗生物質を分離・精製することが出来ます。

 皆さんも身の回りの食品に見られる色んな色素を調べてみてください。

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