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キラリ輝く有機化合物

2020年9月4日
徳島大学 理工学部

 徳島県はLEDを含む光関連産業が集積していて、光技術の新用途開発や応用研究が盛んです。徳島大学理工学部においても「光」をキーワードとした研究を重点的に進めています。また、平成30年度には、ポストLEDフォトニクス研究所が徳島大学に設立され、徳島大学における光関連研究が一層活性化されています。

 私たちは、有機合成化学を駆使することで、様々な光機能を備えた高付加価値有機化合物の開発を進めています。例えば、最近、固体状態でも強く発光する有機化合物や、わずかな分子構造の違いで多彩な発光色を示す有機化合物などを合成しました。(写真1)一般的な有機化合物はほとんど水には溶けませんが、これらの有機化合物は水に良く溶ける性質を備えているため、細胞の状態を可視化するバイオイメージング剤として利用可能であることを見出しています。(写真2)

写真1写真1
写真2写真2

 また、有機化合物によっては、光に応答してはじめて薬として機能を発揮するものがあります。代表的なものとして、光でがんを治療する光線力学療法(Photodynamic Therapy : PDT)と呼ばれる治療法があり、光に応答する有機化合物が活躍しています。私たちは、前述のポストLEDフォトニクス研究所と連携した医光融合研究も推進しており、蛍光イメージングにより病巣を診断する機能(Diagnostics)と、光でがんを治療する機能(Therapy)を融合した、セラノスティクス(Theranostics; Therapy + Diagnostics)を実現可能な新しい有機化合物の合成研究を進めています。(写真3)

写真3写真3
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