太陽光集熱パネルを利用した融雪システムの開発 |
冬季積雪地域では、家屋の屋根への積雪は除雪時の事故や家屋の損壊を招き大きな社会問題となっています。また、駐車場の融雪も大きな負担となります。一方で原油価格の高騰により化石燃料に頼った融雪システムでは、ランニングコストがかさむ一方です。
そこで弘前大学理工学部は、環境負荷の小さい太陽光集熱パネルを用いた屋根雪融雪システムの実用化にむけて実験を行っています。
太陽光集熱パネルは、熱源に自然エネルギーである太陽光を用います。そのため環境負荷は、化石燃料を使用したボイラーなどに比べると格段に小さくなります。また一般家庭の給湯などにも利用されているものであり、集熱の実績も十分にあります。
太陽光による自然エネルギーを用いる方法としては、太陽電池パネルを用いるものが広く普及しています。しかし、熱→電気→熱 とエネルギー変換を行うために、効率の低下を避けることができません。この融雪システムでは変換効率が約40%にのぼることが実験からわかりました。それは、太陽光から得た熱をそのまま融雪に用いることができることができるためです。
太陽光集熱パネル(図2)と床暖房パネルを用いた仮想屋根(図3を用いて積雪期の1月に融雪実験を行いました。結果、最大融雪量は40kg/日、日射量の45%を融雪に利用可能であることがわかりました。また、積雪各地の気象データをもとに融雪のシミュレートを行ったところ、多くの地域に適用可能であることもわかりました。
2008年からは、積水ハウス(株)・サンポット(株)の協力を得て駐車場融雪の試行実験(図4)を開始しています。
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