私は、電気電子工学の分野で「知的情報処理機能の工学的応用」をテーマに研究しています。様々な情報を賢く処理する仕組みを世の中にある様々なモノに実装する研究で、超スマートな社会の実現を目指しています。皆さんの身の回りには「賢い」と思うモノはありますか?「賢い」モノで溢れた世界はどんな世界だと思いますか?きっと我々の生活をより便利で豊かなものにしてくれる世界でしょう。
現在、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ロボット技術(RT)など、電気電子工学に関連する技術は目覚ましく発展しています。そのため、賢いモノで溢れた世界は夢ではなく、近い将来の世界だと思います。私はその実現に向けて様々な研究に取り組んでいます。例えば、自動運転や高度な運動性能を有するロボット、人間の機能を拡張・補完できる人間支援システム、日射や風の予測システム、そして、食の安心・安全を実現する農業支援システムの研究をしています。
最後に挙げた農業支援システムは意外に思いませんか?農業を農学部でなく理工学部で?それも電気電子工学で?近年、従来の研究分野にとらわれない学際的な研究によるブレークスルーが必要だと言われています。私も電気電子工学のアプローチで、もしかしたら新しい農業の形を生み出すことができるかもしれないと思っています。ただ、分野の幅を広げると知らないことや分からないことばかりです。とても一人では研究は進められません。各分野の専門家の協力を仰ぐことはとても大切です。
私が所属する電気電子システムコースは、新しい電子材料やデバイス、半導体、プラズマなどのエレクトロニクスに関連する分野、電力の発生・輸送・変換や設備診断、パルスパワー、ロボットなどの電気エネルギーに関連する分野、コンピュータを用いた制御や情報通信、生体医工学などの電気電子システム分野、電子回路の解析・設計や脳情報処理、 LSIの設計・検査などの知能電子回路分野で活躍されている先生や学生がいます。コース内でも十分幅広い研究は可能です。しかし、さらに幅を広げて研究を発展させるためには、学際的な研究が必要だと思います。
私は学生に、研究は99%の苦悩と1%(もっと少ないかも?)の喜びからなると言っています。1%の喜びのために苦悩に耐えて努力し、1%の喜びを経験できたときの感動は、必ず次への活力になると思っています。高校生の皆さん、大学でこのような素晴らしい経験をしてみませんか。
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