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生レポート!大学教授の声

『制御』って本当に面白い

2018年1月19日
広島大学 工学部
山本 透
生レポート!大学教授の声

 私は工学部で「制御工学」の教育研究に携わっています。30年位前にはいくつかの大学に「制御工学科」が存在していましたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。しかし、電気系学科や機械系学科には「制御工学」を教育研究分野とする研究室があり、こういった学科で「制御工学」を学ぶことができます。私たちは、日ごろから「制御」の恩恵を受けているのですが、「制御って何?」と問いかけても、多くの人が「分からない」と答えられます。

 まず、エアコンディショナ(通称 エアコン)を例として「制御」が何であるか説明しましょう。エアコンには温度設定ができるリモコン(リモートコントローラ)があり、私たちがこのリモコンで温度を設定すると室外機が駆動し、室内の温度は少しずつ設定した温度に近づいていきます。簡単に言うと、これが「制御」です。室内の温度をセンサで検出し、これと設定した温度とを比較し、その温度差に応じて室外機が駆動することで、冷たい空気や温かい空気を室内に送り込んでいます。私たちの身の回りに目を向けてください。同じような制御の仕組みをもったものがたくさんあることに気づくでしょう。例えば、自動車は「制御」の塊といっても過言ではありません。最近では、様々な機器・装置・製品にコンピュータが内蔵され、このコンピュータによって制御が実現されています。このとき、コンピュータに実装する制御アルゴリズムによって、機器等の動き方が決まるので、制御アルゴリズムの研究は重要であり、私はこれを研究しています。

 話は変わりますが、私は教員になって間もなく他大学で一年間、研究に専念させて頂く機会を得ました。大学時代からずっと制御方法や制御アルゴリズムの研究に興味をもち、どちらかというと数学を使った理論的な研究に従事していました。ですから、これまでの研究を継続し、さらに発展させようと意気込んでいました。ところが、そこでご指導頂いた先生から、「工学なんだから、理論的な研究も良いけれど、もう少し産業界を見てみてはどうですか」という思いがけない一言を頂きました。この一言で、私の研究スタイルは大きく変化し、常に実システムへの実装を念頭においた「役に立つ制御アルゴリズムの構築」をモットーに研究を進めるようになりました。

 あれから約30年が経過しました。今でも、研究のモットーは変わっていません。もしかするとこれが私のアイデンティティ(Identity)なのかもしれません。幸いなことに現在、多くの企業と連携させて頂くことができています。電機メーカ、建設機械メーカ、自動車メーカ、さらには化学メーカなど多岐に亘る企業と連携させて頂いています。私の研究室で開発した制御アルゴリズムが実システムに実装された折は、学生と共にその喜びに浸り、ものを動かせる醍醐味と達成感を味わっています。「制御」によって、ものを動かせることができ、付加価値を創出することができるのです。

 「制御」って本当に面白いですよ。一緒に学びませんか。

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