皆さんこんにちは、弘前大学大学院理工学研究科博士後期課程1年の学生です。今回は①私の研究、②博士後期課程進学後の所感 の2つを紹介しようかと思います。
まず①についてです。私の研究室では「グラフェン」という炭素原子1層からなる2次元シート状の材料に着目した基礎/応用研究を行っています。透明、曲げても壊れにくい、導電性が高い・・・など、特異的な物性を数多く有しているため世界的にかなり注目を集め、様々な分野でその応用が試みられています。その中でも特に私は、グラフェンを用いた太陽電池「グラフェン/シリコン太陽電池」の発電性能と耐久性の向上に向けた研究を博士前期課程の時から継続しており、その達成を目指して実験・測定・分析を繰り返す日々を過ごしています。今の研究について、より多くのことを明らかにし、世の中に還元したいという思いから博士後期課程に進学しました。
続いて②についてお話しします。当たり前なことかもしれませんが、博士後期課程以降は、課題発見~論文化の一連のサイクルを自ら遂行しなければなりません・・・が、いかんせんこれが難しい。思った以上に「何もできなかった」。博士前期課程までは、どれだけ自分が指導教員や周りの環境に頼り、依存していたのかを痛感し、博士後期課程の学生(研究者)としての自身の未熟さについて突き付けられている日々です。しかし、できないことが際立ってくる一方、着実に力をつけていると感じていることもあります。私の研究室では14人の学生がおり、私だけが博士後期課程で年長者。1人1人の研究についてある程度把握して適切な議論・指導ができること、組織内の信頼関係を構築・維持できることが必要です。こういった経験を重ねることで組織の統率力が身についていくことを実感しています。
他にも博士後期課程そのものが自身を内省する機会となっているとも感じています。「眼前の研究には、自分の人生にとってどんな意味があるのか」「自分は何を目指して生きているのか」博士後期課程以降では、上記のような研究や人生における重要な問いについて深く考え、向き合わなければ、研究を続けるためのモチベーションを維持できません。ただ、ここに投資した時間、悩み抜いて得られた見解は、今後の人生の様々な場面で役に立つのではないでしょうか。
以上のように苦労しつつもやりがいのある博士後期課程1年目を過ごしているわけですが、未熟ながらも着実に博士後期課程の3年間を乗り越えていきたいと思います。
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