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生レポート!現役学生の声

未来を拓く、超電導の可能性

2023年2月17日
群馬大学 理工学部
Y.K. ※現大学院生

「超電導」という現象を皆さんはご存知でしょうか?普段生活する中では馴染みのない言葉だとは思いますが、最近では超電導リニアの開業も間近となり、聞いたことがある人もいると思います。この超電導は今後の社会の発展において重要な研究であると私は考えています。

 私は研究室選択にあたって「超電導」という言葉の響きで興味を持ち、調べる中で将来性のある分野だと感じ、その研究を行っている機械電磁研究室を選択しました。

 そもそも超電導という現象とは何なのでしょうか?それは主に2つ挙げられます。1つ目は電気抵抗がゼロになるという性質です。超電導状態の超電導体は抵抗がないため熱が発生することなく、流れている電流は永遠に流れ続けます。2つ目はマイスナー効果というもので超電導体の中に磁場を通さなくなるため、磁石を置くと反発して、浮いている状態になります。私の研究はこの現象を応用した磁気軸受の開発を行っています。この軸受は浮いている状態なので接触がなく、摩擦が生じません。よって半永久的に回り続ける軸受の出来上がりというわけです。しかし超電導体は高価なのでコスト面で問題が有ったり、超電導状態にするためには極低温まで冷却することが必要なので冷却容積をできるだけ減らすことが必要です。そこで私の研究では超電導体の使用量を減らし、かつ性能の良い軸受を開発するということを目標にしています。

 研究室では実験装置も自分で作り、データを取り、発想、仮説から実験まで常に考えながら研究を行います。いろいろ試行錯誤しながら形にして、良いデータや予想外の結果が得られた時は非常に嬉しい気持ちになり、やりがいを感じます。これこそが工学系の学部に進学し、研究することの醍醐味ではないかと私は感じます。大学院に進学し、現在も研究を進めていますが、問題に直面することが多くあります。先生と相談したり、学会発表に参加することで様々な考えを知ることができたり、新たな研究の種になりそうなものを見つけたりと、貴重な経験ができているなと感じます。ものづくりが好きな人、自分の発想が目に見える形になる経験がしたい人などがいればぜひ工学系の学部への進学をおすすめします。また大学院に進学することで専門性を高めることができ、得られるメリットは大いにあると思うのでぜひ大学院に進学し、自分の研究を突き詰めてみてください。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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