失敗と挑戦の日々 |
私の大学院2年間は、研究に没頭する日々でした。
私の研究テーマは、医用画像処理であり、その中でもCT画像のための経時的差分画像の生成法の開発という研究テーマを自分で選びました。この経時的差分画像とは、過去に撮影された画像と今回撮影された画像の位置を合わせた後に、引き算をすることで、正常構造である骨、血管、筋肉などの領域を除去し、経時的変化が起きた病変部を強調した画像のことです。医師は、この経時的差分画像を診ることで、病変部を素早く発見でき、診断の負担軽減や診断精度のバラツキの低減が図ることができます。結果として、受診者の命を助けることができると思い、私は研究に対してやりがいを感じて取り組みました。
この研究テーマに決めてからの私の日々は、失敗と挑戦の連続でした。研究を進める前に、まず従来提案されている手法の考察や改善法の考案を行いました。その後、誰も試したことのない手法を実際に試してみたり、できないと思われていた手法に1つ手を加えることで新しい手法を提案してみたりと、多くのことに挑戦しました。初めのうちは、これらの挑戦は失敗が多かったように思います。それは、うまくいくという見通しの立て方が分からなかったからです。しかし、失敗したときに、何が原因なのかを考察し、次に活かすことを忘れませんでした。また、どんな小さな成功でも、なぜうまくいったのかという考察も欠かさず行いました。これらの失敗と成功が研究を行う上での見通しの立て方の土台となりました。中には、失敗続きで、悩むことも多くありましたが、その悩んだ分、うまくいく手法を見つけたときのうれしさは、何事にも変えがたかったです。
私にとって工学は、人に役立つモノを作ることが醍醐味です。そんなモノづくりの中で、楽しさ、思いやり、やりがいを見つけ、一人前のエンジニアになるべく、日々、技術の向上に励んでいます。
掲載大学 学部 |
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |