アンテナ磨いてますか? |
工学部とはどんな所でしょうか?
工学部には多くの学科がありますが、全てに共通している事、それは『ものづくり』です。自分の努力の結晶を『もの』として世の中に送り出すことが出来るのです!自分が作った『もの』を世界中の人が使う姿を想像してみてください。ステキじゃないですか、ワクワクしますよね。
では、ものづくりには何が必要でしょうか?
数学?化学?物理?生物の勉強?
おっ、どれも工学部生に必要な科目ですね。正解!
国語力?英語力?
国語や英語はどんな事を学ぶにしても、内容を正確に理解するには必要になりますよね。正解!
勉強が苦手な人はものづくりには向いていない?
不正解!!理系離れの原因の一つはこれではないかと思ってしまうような回答ですね。
私の『ものづくり』に対するイメージは、創意工夫、トライアンドエラーです。工学部で学ぶことの醍醐味は、自分の研究成果を『もの』として世の中に出せることだと書きましたが、世の中の研究の大多数は失敗、失敗の繰り返しです。思い描いたような結果はなかなか出ないものです。ですが、失敗も決して無駄ではありません。失敗を繰り返す中で、その原因を考え、そこからどのような情報を引き出し、どのようにして成功への道を切り開くことが出来るか?それが研究者に最も必要とされる能力ではないでしょうか。勉強が苦手だって、鋭い観察力や、独自のアイデアと勘で欠点を補えばいいのです。日常生活の意外な所に『ものづくり』のヒントは隠されているものです。勉強が出来る人も苦手な人も、そういったヒントを見逃さないアンテナと柔軟な発想力を磨いてください。
私自身、勉強は得意ではありませんでしたし、成績も決して良くはありませんでした。そんな私でも、岐阜大学工学部生命工学科に入学し、大学院博士課程を修了するまで、合計9年も工学部、工学研究科に在籍し、博士号を取ることが出来ました。「9年も大学に居たなんて勉強が大好きなのですね。」と言われそうですが、決してそんなことは有りません。(この記事を読まれた先生方に怒られてしまいそうですが。)勿論、勉強嫌いでは続けられなかったと思いますが、それ以上に『ものづくり』に魅力を感じていたこと、そして何よりも、アンテナを磨き、さまざまな情報を吸収し続けることで、失敗にも挫(くじ)けず、ワクワクしながら研究を続けられたのだと思います。
現在、外資系の石油化学メーカーで働いていますが、研究を通して身に付けた知識は勿論ですが、勉強以外の経験から学んだことも、大いに役立っています。例えば、国際学会への参加や、海外旅行で外国人とのコミュニケーションの楽しさを学び、英語への興味が深まりましたし、大学の研究室でのイベントの計画・実行の経験は、新しいプロジェクトの立案・計画・実行に役立っています。
私の例を挙げましたが、貴方の人生も無駄な経験などないのです。貴方がこれからどのような道を歩むにしても、アンテナを磨いて、色々なことに挑戦してみてください。その経験が将来の皆さんの土台となり、個性となり、そして貴方だけの武器になるはずです。
どうですか?少しは参考になりましたか?
それでは、楽しい人生の第一歩を踏み出してください!出来れば工学部で!!
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