私は平成25年に広島大学大学院工学研究科 建築学課程を修了しました。現在、建築設備会社で働いています。
私は幼い頃から建築家に憧れていたので、中学卒業後は地元の高専の建築学科に進学しました。しかしながら、いざ建築を学んでみると、建築家になれるのはわずかであり自分以上に才能あふれる同級生が多数いることを知りました。この状況は大学編入後も変わりませんでした。ここで私は建築家になる夢を諦めました。
建築は非常に懐が深い学問であり、構造、材料、防災、建築史、計画、環境工学 等多種多様な分野を含みます。夢に敗れた私は建築家という役割とは別の役割で建築に携わりたいと考え、環境工学が専門の研究室に進み厨房換気について研究しました。調理により生じる熱や水蒸気をいかに効率良く、かつ省エネルギーで排気するかといった研究テーマです。修了後は建築設備会社に就職し、空調・照明・給水 等に関わる仕事をしています。建築設備は人を取り巻く環境 (温度・光・音・空気) を調整するもので、建築および人にとって必要不可欠なものです。建築家とは異なる役割ではあるものの、より良い建築空間の創造に携わることが出来る意義深い仕事に就くことが出来たと考えています。
私のように当初思い描いた形ではなくても、自分自身が興味のある分野を発見し、その分野の研究や仕事に就くことは可能です。もし壁に出会ったとしても、柔軟さを忘れずに別のアプローチを模索してみてください。みなさんが興味深いと思える学問に出会えることを祈っています。
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