役に立つということ |
「こんな勉強が何の役に立つのですか?」
誰でも一度はこのような疑問を抱いたり、逆に問われたりしたことがあると思います。特に、サイン・コサイン、微積分、ベクトルなど耳慣れない記号、数式が飛び交う数学や物理で、このような疑問はよく巻き起こると思います。四則演算ができれば、日常生活で困ることはそうそうないわけですから、このような疑問が沸き起こるのはもっともと言えるかもしれません。
私が工学部を選んだのは、この記号や数式がどんな意味を持ち、どのように社会に貢献しているのかを知りたかったからです。その中でも携帯電話などに代表されるように、発展が目覚しい電子系の分野を選択し、電子回路や材料物性の観点からこれら記号や数式の重要性を学習していきました。現在は石川県工業試験場に在籍しており、工学部で学んだ知識を用いて主に不具合原因の解析や製品開発に繋がる研究を行っています。いずれの業務でも、数式などによる理論に基づいて行わないと本当に良いものはなかなかできず、これらを通じて、記号や数式と社会との関わりを実感することができるようになりました。
一見役に立ちそうにない記号や数式も、気づかないところで使われていることが多々あります。更なる発展のためにはこれら数式を理解して使いこなしていく必要があり、これを実感できるところが工学部という場所なのだと思います。皆さんももし社会との関わりをものづくりの観点から感じたいと思ったら、工学部を選んでみてはどうでしょうか。これを読んで一人でも多くの人に工学部が魅力的に映れば幸いです。 しかし実際の現場では、勉強したことがそのまま役に立つわけではありません。結局のところ、学んできたことが何の役に立つか、立たせることができるかは自分次第なのではないでしょうか。 「あなたはだれかの役に立っていますか?」
これを問い続けることが工学部の宿命なのかもしれません。
掲載大学 学部 |
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