2050年までのカーボンニュートラル達成が求められる中、太陽光発電の一層の普及が望まれています。
太陽光発電所や住宅屋根だけでは太陽電池の設置面積が足りず、ビルの壁面や自動車の屋根への設置も検討されています。
エネルギーハーベストやIoTの電源応用など、屋内での太陽電池利用も注目されています。
光(電磁波)には様々な種類があります。光の帯のことをスペクトルとよびます。
太陽光発電で使用するのは、主に可視光線と呼ばれる光です。
可視光線は目に見える光のことで、青、緑、黄、橙、赤など様々な色の光からできています。
太陽光は紫外線、可視光線、赤外線が混じった光です。様々な色の光が混じると人間の目には白く見えます。
太陽電池に使用される半導体は、バンドギャップより小さなエネルギーの光は吸収できません。したがって、太陽光発電で主に利用されるのは、可視光線と呼ばれる光です。
可視光線は太陽光スペクトルのおおよそ半分を占めています。
半導体にはバンドギャップが存在し、半導体に照射される光のエネルギーがバンドギャップエネルギーより低いか高いかで、電子の振る舞いが異なります。
太陽電池の種類によって得意とする光の波長が異なるか、結晶シリコン太陽電池とアモルファスシリコン太陽電池で比較します。
小型の結晶シリコン太陽電池はオンライン販売で容易に入手できます。アモルファスシリコン太陽電池は入手が難しければ、電卓を分解して下さい。
フレキシブルアームを机に固定してクリップでLEDライトを固定する(光が下側に出るように設置)
テストリードをデジタルマルチメータに接続する(電流を測定する場合は以下のように接続する)
実験結果は一例です。照射する光の強度や太陽電池の性能によっても結果は異なります。市販のLEDライトで光の強度をそろえるのは難しいですが、パワーメータで光の強度を確認して下さい。
アモルファスシリコン太陽電池では、波長の長い光つまり低エネルギーの光では発電できないことがわかりました。(光のエネルギー(eV) = 1240/光の波長 (nm) の関係があります。)
その理由は次のページのように、結晶シリコンとアモルファスシリコンのバンドギャップエネルギーの違いで説明できます。
結晶シリコン太陽電池とアモルファスシリコン太陽電池では、発電に得意な波長が異なり、アモルファスシリコン太陽電池は波長の長い光では発電しません。
次の課題として、短波長から長波長までを含む太陽光の下で、両者がどのような特性を示すか確認してみて下さい。
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