微生物のもつ機能を知り、利活用する技術開発を目指して |
水や土壌環境中にはいろいろな有機物を分解し、地球上での物質循環に与る多種多様な微生物が生息しています。こうした微生物を人工的に高濃度化し、生活排水や工場排水の浄化に利用しているのが「活性汚泥法」(かっせいおでいほう)という代表的な生物処理法です。
「活性汚泥」は細菌を主とする微生物集団であり、微生物の宝庫です。活性汚泥構成細菌はなぜか互いに絡まり合い、フロックという凝集体(ぎょうしゅうたい)を形成するので、水処理に利用できるのです。圧縮空気で機械的に撹拌(かくはん)・混合されるエアレーションタンクでは、水の汚れの90~95%が安定して除かれます。
微生物の宝庫である活性汚泥から役に立つ細菌を分離し、(1)遺伝子DNAの塩基配列解析による細菌種の同定、(2)なぜ細菌同士が凝集するのか、(3)水質浄化にどのような細菌が働いているのか、(4)細菌がどのように化学物質を認識し、これに向かって動く走化性を示すのか、(5)環境にやさしい光や薬剤を用いた微生物の殺菌技術など、幅広い研究を行っています。
すなわち、微生物の性質と機能を調査して正しく理解し、汚染された環境場の浄化や分析の手段などに利活用し、安心・安全な生活環境づくりを目指しています。
微生物の観察や分類のためには、電子顕微鏡や遺伝子の塩基配列解析装置は欠かせません。これらは地域共生研究開発センターやバイオサイエンス教育研究センターに整っています。
詳細は以下の宇都宮大学ホームページにてご覧ください。
http://www.utsunomiya-u.ac.jp/
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