人間は、3次元の世界を目で見て理解しています。しかし、目の中では、3次元の世界が、網膜に2次元の像として投影されて脳に伝えられています。実際には2次元の像から3次元の世界を推測しているにすぎません。今回は、この性質を利用して不思議な立体を作ってみましょう。
以下のように、上面にも側面にも物を置くことができる(直方体みたいな)立体を作ってみましょう。
以下の三角形は、人間の目には、いずれも同じように見えます。今回作る立体は、この考え方に基づいています。
まず、方眼紙にxy軸を描き、人間の目から見える形を描き、各点のxy座標を求めておきましょう。
ここでは、先に示した立体を構成する三角形のうち、灰色の三角形が具体的にどのような形をしているのか求めてみましょう。この三角形に物を置くことができるようにするため、この三角形は水平でなければならない点に注意しましょう。
この三角形をxyzグラフで表現すると、おおよそ以下のようになっています。
yzグラフ、xzグラフに投影すると、それぞれ以下のようになります。
yzグラフについて、まず、方眼紙にyz軸を描き、y軸上に各点の印をつけておきます(yzグラフ黒丸)。次に、目の位置を決め、目の位置からy軸上の点に向かって直線を描き、灰色の三角形を描きたい水平面との交点を求めます(yzグラフ赤丸)。この交点から、xyz座標のうちのy座標とz座標が求まります。
次に、xzグラフについて、まず、方眼紙にxz軸を描き、x軸上に各点の印をつけておきます(xzグラフ黒丸)。次に、目の位置を決めます。目の位置のz座標は、yzグラフの目の位置のz座標と同じになるように注意しましょう。目の位置からx軸上の点に向かって直線を描き、先に求めたz座標と一致する点を求めます(xyグラフ中赤丸)。この点から、xyz座標のうちのx座標が求まります。
以上により、三角形の頂点のxyz座標が求まりました。次に、三角形の各辺の長さを求めます。例えば、xyz座標が(x1、y1、z1)の点と(x2、y2、z2)の点との距離は、a=|x2-x1|、 b=|z2-z1| c=|y2-y1|とした場合、以下のように√(a2+b2+c2 )より求めることができます。電卓で計算して求めてみましょう。
三角形の各辺の長さを求めることができれば、定規とコンパスにより三角形を描くことができます。厚紙(または、失敗した時に備えて、まずは要らない紙)に描いてみましょう。
以上の作業をすべての三角形で行い、完成した三角形をテープ(またはのりしろを作って糊付け)でつなげたら完成です。
参考までに、今回作成した立体のxyグラフ、yzグラフ、xzグラフ、各点のxyz座標、作成した立体の型を示しておきます。
人間の目をだます、不思議な立体を作ることができたでしょうか。さらに、以下のようなことについて検討してみるのも面白いかと思います。興味があれば、チャレンジしてみてください。
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