用意するもの
強いレーザー光は人体に及ぼす影響が大きく、また反射光がどこに飛んでいくかわからないので、くれぐれも目に入れたり火傷したりしないようにしっかりと安全対策をしてください。
以下の図のように配置します。
風船を膨らませます。
以下の実験スケジュールに沿って実験をします。
実験結果をまとめて、どのような場合に割れるのか、あるいは割れないのかについて考察します。
私たちが日ごろ見ている景色の中には、様々な色が含まれています。それらの多くは光の選択的な吸収によるものです。太陽光や蛍光灯などから出てくる白色光(様々な波長の光が混ざったもの)が物質に当たると、一部の波長の光は吸収され、それ以外の波長の光が物質から反射や散乱、透過をして私たちの目に入ります。私たちはそれを「色」として認識しています。
この実験ではそのことを利用しております。例えば、赤い風船は緑などの補色の光を吸収して、残った赤い光が我々の目に入るので赤く見えます。すなわち、赤い光は吸収せず、特に緑の光はよく吸収します。そのため、赤いレーザー光を当てても風船は割れませんが、緑のレーザー光はよく吸収され、そのエネルギーが熱に変換し物質を温めます。風船の場合は図のように光が当たった場所が溶け、瞬間的に小さな穴が開きます。これは風船を針でつつくことと同じです。そのために緑の風船は割れるのです。レーザー光が緑になると逆に赤い風船が割れます。二枚重ねの場合は、レーザー光が赤色の時には外側の赤い風船は吸収されないので、そのまま透過し、内側の緑の風船で吸収されますので、中の風船だけが割れます。
レーザー光を当てるだけで風船が割れる様子は、その音なども派手なのでとても魅力的でショー的な要素が大きいのですが、可能な限り科学的な原理の理解を心がけてほしいと思います。この原理の中には量子力学的なエネルギー準位に関する説明なども入っておりますので、高校生以上の方はそこまで踏み込んで理解していただければと思います。
その一方で、強いレーザー光は人体に及ぼす影響が大きく、また反射光がどこに飛んでいくかわからないので、くれぐれも目に入れたり火傷したりしないようにしっかりと安全対策をしていただければと思います。 特に青色レーザーは一見するとそれほど高強度には見えませんので注意してください。それでは安全対策をしっかりととって楽しい実験を行ってください。
この実験の様子は以下の動画にもまとめてありますので参考にしてください。
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