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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

電磁誘導方式の非接触給電技術を用いた充電実験

2021年6月25日
茨城大学 工学部 電気電子システム工学科
内田晃介

はじめに

 近頃スマートフォンや電気自動車の充電に、充電ケーブルの接続を必要としないワイヤレス充電の実用化が進んでいます。

 ここでは、電磁誘導方式のワイヤレス充電システムを構築する一手法を紹介します。本手法はブレッドボード上で構築するため、比較的簡単に体験することが可能です。

電磁誘導による電力伝送の原理

 電磁誘導を用いた非接触給電では、電気を送り出す側のコイルに交流電圧を供給します。そして送り出す側のコイルに発生した磁束が、電気を消費する側のコイルに鎖交することで、起電力が発生し、負荷に電気が供給されます。

非接触充電システムの回路構成

送電側「誘導結合発振回路」送電側「誘導結合発振回路」
受電側「整流回路」受電側「整流回路」

 誘導結合発振回路(※発振回路の原理は別資料(発振回路の原理.pdf)を参考にしてください)の送電コイル(L2)から整流回路の受電コイル(L2)に電力を供給し、アルミ電界コンデンサ(C4)に充電します。受電側のスイッチを押すとC4に蓄えられたエネルギーがLEDに供給され発光します。

用意するもの

  • ブレッドボード 2個
  • 単三電池 4本
  • 電池ボックス 1個
  • 炭素抵抗 (10Ω、47Ω、2.2kΩ、330Ω) 各値を1個
  • MOS-FET (型式 2SK4017 耐圧60V) 1個
  • 白色発光ダイオード 3個
  • 赤色発光ダイオード 1個
  • セラミックコンデンサ(0.1μF) 2個
  • セラミックコンデンサ(1000pF) 1個
  • ショットキーバリアダイオード 1個
  • 押しボタンスイッチ 1個
  • アルミ電解コンデンサ 1個(100μF)
  • コイル製作用の銅線 (310cm程度)
  • 配線用のジャンパ線

コイルを作ってみよう

 直径10cm程度のコイルを3種類(1回巻、2回巻、5回巻き)つくりましょう。

※1回巻コイルは銅線50cm、2回巻コイルは銅線80cm、5回巻コイルは銅線180cmあればつくれます。
※コイルの簡単な作り方は下記のファイルを参考にして下さい。

送電回路(電磁誘導結合発振回路)を作ってみよう

 下図のようにブレッドボード上に素子を配置して、送電回路をつくろう

  • L1:1回巻コイル
  • L2:5回巻コイル
  • V1:電池BOX(6V)
  • D1:白色発光ダイオード
  • R1:抵抗(2.2kΩ)
  • R2:抵抗(47Ω)
  • R1:抵抗(10Ω)
  • C1、C2: セラミックコンデンサ(0.1μF)
注意点

    電池ボックス、ダイオード、MOS-FETは向き(極性)に注意

受電回路(整流回路)を作ってみよう

 下図のようにブレッドボード上に素子を配置して、受電回路をつくろう

  • L3:2回巻コイル
  • D2:赤色発光ダイオード
  • D3:ショットキーバリアダイオード
  • R4:抵抗(330Ω)
  • C3: セラミックコンデンサ(1000pF)
  • C4: アルミ電解コンデンサ
  • D4、D5:白色発光ダイオード
注意点

    アルミ電界コンデンサとダイオードは向き(極性)に注意

実験 step 1

 構築した充電システムを使って、どの程度離れたところまで電力を供給できるか試してみてみましょう。

 Step1:下の写真のように送電コイル(L2)と受電コイル(L3)を向き合わせてから、電池BOXの電源をONにしましょう。

実験 step 2

 Step2:受電側回路にエネルギーが供給されると赤色発光ダイオードが光ます。赤色ダイオードが発光する位置を見つけましょう。

実験 step 3

 Step3:ある程度充電されると赤色発光ダイオードが消灯します。消灯が確認されたら、受電回路のスイッチを押してみましょう。スイッチを押すと、コンデンサC4に蓄えられたエネルギーが白色発光ダイオードに供給されます。なので、発光が確認されたら実験は成功です。

受電回路

実験 おまけ

 コイルの位置によって充電時間や、発光ダイオードの光の強さなどが変わってくるので、コイルの位置を変えてよく観察してみてください。

 また、10cm程度送電コイルと受電コイルを離しても充電できるので、ぜひ挑戦してみてください。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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