近頃スマートフォンや電気自動車の充電に、充電ケーブルの接続を必要としないワイヤレス充電の実用化が進んでいます。
ここでは、電磁誘導方式のワイヤレス充電システムを構築する一手法を紹介します。本手法はブレッドボード上で構築するため、比較的簡単に体験することが可能です。
電磁誘導を用いた非接触給電では、電気を送り出す側のコイルに交流電圧を供給します。そして送り出す側のコイルに発生した磁束が、電気を消費する側のコイルに鎖交することで、起電力が発生し、負荷に電気が供給されます。
誘導結合発振回路(※発振回路の原理は別資料(発振回路の原理.pdf)を参考にしてください)の送電コイル(L2)から整流回路の受電コイル(L2)に電力を供給し、アルミ電界コンデンサ(C4)に充電します。受電側のスイッチを押すとC4に蓄えられたエネルギーがLEDに供給され発光します。
直径10cm程度のコイルを3種類(1回巻、2回巻、5回巻き)つくりましょう。
※1回巻コイルは銅線50cm、2回巻コイルは銅線80cm、5回巻コイルは銅線180cmあればつくれます。
※コイルの簡単な作り方は下記のファイルを参考にして下さい。
下図のようにブレッドボード上に素子を配置して、送電回路をつくろう
電池ボックス、ダイオード、MOS-FETは向き(極性)に注意
下図のようにブレッドボード上に素子を配置して、受電回路をつくろう
アルミ電界コンデンサとダイオードは向き(極性)に注意
構築した充電システムを使って、どの程度離れたところまで電力を供給できるか試してみてみましょう。
Step1:下の写真のように送電コイル(L2)と受電コイル(L3)を向き合わせてから、電池BOXの電源をONにしましょう。
Step2:受電側回路にエネルギーが供給されると赤色発光ダイオードが光ます。赤色ダイオードが発光する位置を見つけましょう。
Step3:ある程度充電されると赤色発光ダイオードが消灯します。消灯が確認されたら、受電回路のスイッチを押してみましょう。スイッチを押すと、コンデンサC4に蓄えられたエネルギーが白色発光ダイオードに供給されます。なので、発光が確認されたら実験は成功です。
コイルの位置によって充電時間や、発光ダイオードの光の強さなどが変わってくるので、コイルの位置を変えてよく観察してみてください。
また、10cm程度送電コイルと受電コイルを離しても充電できるので、ぜひ挑戦してみてください。
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