トップページ > おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界) > 揺れたり揺れなかったり~振動現象学習用教材

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

揺れたり揺れなかったり~振動現象学習用教材

2018年11月22日
東京海洋大学 海洋工学部
准教授 藤野俊和

はじめに

 機械や構造物の振動には人と同じような性格があります。これを固有振動数と呼びます。振動数とは振動が1秒間にくり返される回数のことです。この性格によって振動の形が決まります。これを振動モードと呼びます。性格の数は対象物によって異なります。これを自由度と呼びます。その性格を刺激すると振動が急激に大きくなります。これを共振と呼びます。今回はこれら振動現象についてイメージを掴んでいただければと思います。

用意するもの

  • 加振装置(図1)
  • 加振体(図2)
図1 加振装置の一例図1 加振装置の一例
図2 加振体図2 加振体

解説

 水平方向の振動現象の一例として、加振装置(図1)の上に二重振り子の加振体(図2:水平方向用:No.2)を設置して水平方向に揺らす(揺らす幅のことを振幅と言います)と、振り子が揺れ始めます。さらに同じ振幅で加振体の振動数を大きくしていくと、共振時だけ振動が大きくなり、振り子の揺れ方(振動の形:振動モード)も変化します。共振の振動数を過ぎると振り子の重りは、ほとんど動かなくなります。

 次に垂直方向の振動現象の一例として、加振装置(図1)の上に質量を三つ並べて弦でつないだ加振体(図2:垂直方向用:No.5)を設置して垂直方向に揺らすと、質量おもりが揺れ始めます。水平方向の振動現象と同様に、振幅は一定のままこの加振体の振動数を変化させると、共振時だけ振動が大きくなり、質量おもりの動き方(振動の形:振動モード)も変化します。共振の振動数を過ぎると質量おもりは、ほとんど動かなくなります。

 これらの振動現象の観察から、機械や構造物にとって共振がどれだけ危険な状態であるかがわかっていただけると思います。

最後に

 機械系の動力学問題とりわけ「振動問題」を理解することは、機械系・機関系のエンジニアにとって必要不可欠ですが、その現象についてイメージを掴むことが難しいように思います。今回ご紹介した加振装置(図1)とパッケージ型加振体(図2)は、広島商船高等専門学校瀧口三千弘教授らと東京海洋大学藤野俊和准教授が共同で製作したものです。振動現象を理解するための教材として利用していただけると幸いです。

教材に関するお問い合わせ先

有限会社インテスhttps://www.intes.co.jp/

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2017-11-10

生レポート!卒業生の声

感動体験は人生の道しるべ

神戸大学工学部

2018-08-10

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

大好きな「ばね」を追求する!

宇都宮大学工学部

2016-08-29

生レポート!卒業生の声

技術者としての経験

徳島大学理工学部

2013-12-02

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

【vol.8】きっかけはなんでも良し!まずは自分が楽しむことから!

愛媛大学工学部

2010-08-27

生レポート!卒業生の声

エンジニアに必要な体系的な知識

九州工業大学情報工学部

2018-10-12

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

振動が描く不思議な模様~クラドニ図形を見てみよう~

金沢大学理工学域

東京海洋大学
海洋工学部

  • 海事システム工学科
  • 海洋電子機械工学科
  • 流通情報工学科

学校記事一覧

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)
バックナンバー

このサイトは、国立大学55工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。