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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

振動が描く不思議な模様~クラドニ図形を見てみよう~

2018年10月12日
金沢大学 理工学域

はじめに

 フライパンの柄を持ってたたくとよい音がします。たたくことによってフライパンが振動し、その音を我々は聞くことができます。フライパンでなくても金属の板であれば同じように振動し、音を発します。今回の実験では、金属板の振動をお見せしましょう。

クラドニ図形とは?

 ここではたたくのではなく金属板の中心を加振機によって加振します。加振の振動数を調整することによって金属板の振動を大きくすることができます。これを共振と呼びます。

 共振を起こす振動数は数多くあり、金属板の上に砂をまくとそれぞれの共振状態の様子を砂の模様として見ることができます。この砂の模様のことをクラドニ(Chladni)の図形といいます。板が振動すると、ある部分は振動し、ある部分は振動しない、というように場所によって振動の大きさが異なり、砂は振動しない部分に集まって独特の模様を描きます。

 このように共振の振動数が異なると模様も違った形になり、同じ模様は現れません。正方形の板、円形の板、三角形の板のクラドニの図形をお見せします。

準備

  • 厚さ約1mmのステンレス板
    • 正方形:一辺の長さ250mm
    • 円:直径250mm
    • 正三角形:一辺の長さ250mm

模様を見やすくするために、スプレーペイントで黒くぬっています。

  • 川砂(砂粒が小さく大きさがそろっているもの)
  • ほうき(小)
  • 加振器(左)とアンプ(右)

このアンプには、加振の振動数を変える機能があります。今回は板の真ん中を加振器につなげました。

ここでは研究向けの装置を使いますが、最後のほうでは家庭でも実験できる方法を説明します。

手順

  1. 砂をうすく、まく砂をうすく、まく

    板全体に、砂を薄くまく。

  2. 砂をうすく、まく振動の大きさと周波数を変える

    鉄板に加える振動の大きさは一定のまま、振動数を少しずつ変えて、砂の動きを見る(このとき、砂が全体的に飛びはねているならば振動が大きすぎます)

  3. 砂が集まってできたパターンの例砂が集まってできたパターンの例

    砂が板の振動しない部分に集まろうとする動きを見つけたら、砂がよりハッキリとした模様を描くような振動数を、いまの振動数近くで探します。模様がわかりにくければ、砂をまき直します。

  4. 次の模様を探すために、周波数を大きく変えて①~③の作業を繰り返します。

正方形板のクラドニ図形

 板にはたくさんの振動数で共振が起こり、それぞれに特徴的な模様が描かれます。ここでは一部の模様だけ紹介します。

再生ボタンがあるものは、模様が現れるようすを動画でも確認できます。大きな音を出しながら振動しているので、視聴するときは音量に気をつけてください

90 Hz90 Hz
455 Hz455 Hz
761 Hz761 Hz

Hz(ヘルツ)とは…1秒間に繰り返される波の数を表す単位のこと。

円板のクラドニ図形

 円板でも、ちがった振動数でいろいろなクラドニ図形を観察することができます。

91 Hz91 Hz
1028 Hz1028 Hz

三角形板のクラドニ図形

 三角形の板で観察できた模様です。頂点と底辺の中点とを結ぶ線について、左右対称なパターンが多くみられます。三角形のクラドニ図形がこのようになることを想像できたでしょうか?

110 Hz110 Hz
164 Hz164 Hz
303 Hz303 Hz
361 Hz361 Hz
628 Hz628 Hz
671 Hz671 Hz
676 Hz676 Hz
915 Hz915 Hz

家庭でも観察できるクラドニ図形

 振動する板にきれいな模様を描かせるにはコツが必要なのですが、どなたでも手に入る道具でクラドニ図形を観察する方法を紹介しましょう。

用意するもの

  • パソコン
  • パソコン用の外付けスピーカー
  • 柔らかい布
  • 塩ビ管(板をのせ、スピーカーとの間にすきまを作るために使う。塩ビ管でなくてもよい。)
  • 金属板(一辺の長さ200mm前後、板厚は0。3mmほど。今回はリン青銅板を使用
  • 音源ソフト(パソコンを使って純音信号を出力するために必要)。efuさんがWaveGeneというフリーソフトを公開しています。http://efu.jp.net/soft/wg/wg.html

装置の組み方と実験手順

  1. スピーカーをパソコンにつなぐ。

  2. スピーカーを台の上に置き、塩ビ管をかぶせる。
  3. 塩ビ管の上側を柔らかい布でおおい、その上に金属板をそっとのせる。

  4. 砂を薄くまく。
  5. スピーカーから出力する純音の周波数を変え、砂の動きが活発な周波数を探す。
注意!!
  • 音波で板をゆするので、金属板がスピーカー面に触れてはいけません。また、音波の力は弱いので。スピーカー面と板とがほどよく離れる高さの塩ビ管がのぞましいです。
  • 布は柔らかいだけでなく、目が粗くて音波を通しやすく、板の動きの妨げにならないよう、凹凸の大きいもの(ピタリとはりつかず接触面積が小さいもの)が良いです。
  • 板が共振すると、かなり大きな音が出ます。耳に負担をかけないためにも、長時間聴き続けないでください。耳せんの使用をおすすめします。

簡単な装置で得たクラドニ図形

 スピーカーからの音波の当て方、板のおき方など、工夫すれば、もっときれいなクラドニ図形を描くことができると思います。チャレンジしてみてください。

207 Hz(縦線が2本、横線が4本)207 Hz(縦線が2本、横線が4本)
291 Hz(縦線が3本、横線が4本)291 Hz(縦線が3本、横線が4本)
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