2021年11月12日
私が建築学を学ぼうと思ったきっかけは、高校1年生のときにある建築家のプレゼンテーションを偶然テレビで見たことでした。それ以降、建築への興味が広がり、自然と大学で建築を学んでみたいと思うようになりました。
大学入学以前は漠然と建築物の設計をするのだとばかり思っていましたが、設計はもちろん建築の歴史や環境、マネジメントに関することなど、建築学のなかでも多種多様な分野があることに驚きました。京都工芸繊維大学のデザイン建築学課程では、1、2年次で各分野の講義を受け、3年次の後期に設計・計画・建築史・都市史・構造・設備の6つの分野に分かれ研究室に配属されます。入学当初は設計の道しかないと思っていた私の興味は、都市史という分野に向いていたので都市史を選択しました。以下では、都市史についてご紹介します。
都市史というのは、建築や都市の歴史的価値を明らかにすることを目的とした分野です。研究のアプローチとして主に2つあります。一つ目は昔の文書や絵図から都市の歴史を読み解くもので、古文や日本史、世界史などの文系科目の知識が活かされます。二つ目は、現存する建築物や地域での調査から歴史的価値を見出す方法です。私が所属する研究室では、伝統的建造物群保存地区や重要文化的景観などの国の文化財となっている地域に足を運び、実測調査や聞き取り調査などを通して文化遺産としてどのように保存・活用していくか提案を行っています。最近はもはや理系とは言えないくらい古文に向き合う研究をする日々ですが、学生のうちからフィールドに出る機会を頂けたことは自分の将来にもつながったので、今考えると都市史への選択は間違っていなかったと思います。
大学では、高校生の頃に想像もしていなかったような選択肢に溢れており、自身の選択した道の行く先々で多様な考え方や人と出会うことができます。今はまだ漠然としている方もいるかもしれませんが、自分がやりたいことにたどり着く出会いがあることを祈っています。
将来目指している(目指していた)職業は何ですか? | 地域に寄り添ったまちづくりができる職業です。 |
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工学系への進学理由は? | 建築を学ぶためです。 |
大学を選ぶ決め手になったものは何ですか? | 京都で建築が学べることです。 |
大学では何に力を入れて勉強(研究)していますか? | 都市や建築の歴史が専門です。現在は近代京都を対象に研究しています。 |
入学前と、入学後、工学部のイメージの違いは? | 意外と男女比が同じくらいだったことです。 |
理工系で就職は有利だと思いますか? | 専門的な職種は有利だと思います。 |
文系の友達・知人と違うな~と思うところは? | 課題で徹夜をする頻度が文系より多いかもしれません。 |
本音で言うと、文系タイプ?理系タイプ? | 文系みたいな研究をしていますが、理系タイプです。 |
高校時代に理数系の科目は得意でしたか? | 数学と科学が得意でした。 |
高校時代の苦手科目は? | 現代文です。 |
ニガテ科目克服法や勉強のコツは? | わからないところは、担当教科の先生に質問していました。 |
アルバイトをしていますか? | 都市デザインの事務所でしています。 |
工学部に来てよかった事は? | 自分の興味が広がりましたし、それを追究するための手段が豊富にある環境だと思います。 |
掲載大学 学部 |
京都工芸繊維大学 工芸科学部 | 京都工芸繊維大学 工芸科学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |