私は、神戸大学で建築学を専攻し、鋼構造研究室で鋼構造柱梁溶接接合部の耐震性能評価に関する実験・数値解析による研究に没頭しました。その学びが、社会インフラを支える大規重要建築物の耐震設計や研究開発に携わる現在の原動力となっています。
神戸大学の工学部を選んで、最も良かったことは、恩師や多くの友人と出会えたことですが、現在の建築構造設計者の視点から、神戸大学工学部で学ぶ魅力をお伝えできればと思います。これから工学部を希望される皆様が、豊かな学びの機会を得て、輝かしい将来が訪れることを願っています。
神戸大学では、多様な学生や異なる文化との交流の機会が多く得られます。研究室での海外留学生との出会いがきっかけで、海外での仕事への挑戦に興味を持ち、現在の会社では海外設計案件を担当し、海外設計事務所への駐在業務など、貴重な経験ができました。神戸大学の環境が提供する多様な視点は、私がより広い視野で物事を見る力を育んでくれました。
神戸大学の充実した実験設備を活用した実大構造物の破壊実験の経験は、現在の仕事に大いに役立っています。構造物の破壊進展状況やそのメカニズムを自らの目で確認できた経験は、設計における洞察を深め、設計条件から起こりえる構造物の損傷シナリオを適切に予見し、安全・安心な構造を実現するための鍵となっています。
神戸大学では、学生のアイデアや自主性が最大限尊重され、研究活動の社会的意義や、実験データを論理的な数式まとめる上で有用な理論を、的確かつ優しく指導して頂きました。その結果、納得する研究成果が得られ、現在の職業を選択する自信が得られました。構造設計に加え、製作や施工など、ものづくりの全体像と重要性を学ぶ機会を、教授に多く与えて頂いたことが印象的です。
構造解析ソフトウェアなど解析環境が充実しており、条件によって構造の破壊進展状況がどのように変わるかのシミュレーションが自由にできました。また、研究室の歴史が長く、参考となるデータベースや文献が充実していました。新しい課題に挑戦し、創造的な解決策を見つける力が養われ、現在の仕事でも大学で培った構造解析技術を日々活用しています。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |