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【vol.93】分子のきもちのほんとのひみつ

vol.93弘前大学 大学院理工学研究科
理工学専攻 物質創成化学コース
N.K.さん

2021年9月10日

「人の気持ちを考えなさい。」と言われることがあるだろう。では、君たちは「分子の気持ち」を考えたことがあるだろうか。特に高校生ならば分子構造や分子式を目にする機会はあるはずである。もし、君たちが朝目覚め、分子だったら。私は化学をする時、常にそのことを考えている。二十数年生きても人の気持ちはよく分からないが、5年弱で、分子の気持ちは少し理解できるようになった。なぜか。

 鍵となるものは「電子」である。例えば、色が変わる、といった現象が分かりやすいだろう。なぜ色が変わるか、例えば、フェノールフタレインの気持ちになれば理解は早い。塩基が存在すると、何が起こるか。1分子中でも、局所的に電子が多く存在しているところ、少なく存在しているところがある。必ずしも分子全体に均一に電子が散らばっているとは限らない。エネルギーが高いところから低いところに行くように、電子も多いところから少ないところに移動する。では、どのようにして、分子中の電子の多い、少ないを判断するか。どのように電子が移動するのか、移動させるにはどうしたらよいのか。そういったことを物質創成化学科で学ぶことが出来る。

 実験が好きで、高校時代化学部に所属していた。化学部時代は、分子の気持ちが分からなかった。しかし、今はそれが分かる。分子の気持ちが分かるだけで、実験の楽しさ、そして楽しさの種類が全く違うことに気づいた。今、高校で化学が苦手、興味がなくても、案外大学に来てみたら楽しかった、といった展開が待っているかもしれない。

 現在は、金属錯体触媒・高分子合成を主に研究している。高分子は電子の移動だけでは二進も三進もいかないものがある。新規化合物である分子の気持ちの理解は難しい。しかし、上手くいかない原因を探るのに必要である。特に研究室に所属してからは、私が分子になってしまいたい位である。

message

不患分子之不己知、患不知分子也。

教えてなんでもアンケート

将来目指している(目指していた)職業は何ですか? 錯体・有機化合物・高分子を応用し、社会の役に立つ研究者になりたい。
工学系への進学理由は? とにかく実験が好きだから。
大学を選ぶ決め手になったものは何ですか? 国立大学である事。実家から通学するのと同じような環境にある事。
大学では何に力を入れて勉強(研究)していますか? 無機化学(主に錯体化学・触媒化学)と有機化学(有機合成・金属錯体触媒を用いた高分子反応)を主に勉強・研究している。
女子が少なくて困ったことは? 私の学科は比較的女子が多い学科でしたので、特に困ったことはなかった。
男子が多くて良かったこと、困ったことは? 男子が多いのか、少し騒がしかったです。逆に、明るい雰囲気という意味では良かった。
本音で言うと、文系タイプ?理系タイプ? 理系。
高校時代に理数系の科目は得意でしたか? 物理が非常に苦手だった。
ニガテ科目克服法や勉強のコツは? 基本を疎かにしないこと。できる人に聞くこと。
今一番興味があることは? mechanochemistry。固相合成(溶媒フリーの合成法)を行なっている分野で、私も現在、振動ボールミル(vbm)という機械を用いて、錯体触媒合成・有機化合物合成を行なっているところ。この合成法で、液相合成の時には合成が困難・不可能だったものが、簡単に合成できる、あるいは可能になるといったことが一般的に知られている。溶媒を用いないため、エコフレンドリーな合成法としても知られており、さらに天然化合物モノマーのポリマー合成にも応用されている。いずれ、ワンポットで錯体触媒合成からポリマー合成まで行い、新しいポリマーを合成してみたい。
工学部に来て大変なことは? 毎日が楽しすぎて大変。
工学部に来てよかった事は? ニュース・報道のデータについて客観的に考えることができるようになった事。疑う力が身についた。
※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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