「化学が好き。とにかく化学を勉強したい。」
そんな漠然とした理由で、私は理工学部物質創成化学科を選びました。私が化学を好きになったきっかけは、高校生の頃に本屋で手に取った一冊の本との出会いです。その本は大学生向けの化学の専門書でしたが、高校の教科書では数行で書かれているような内容について、何ページもかけて論理的に詳細に説明してあり、身の回りの化学現象一つ一つが腑に落ちていく感覚にこれまでにない感動を覚えました。それからはエンジンがかかったように独学で化学を勉強するようになり、大学4年生となった今では研究室での研究活動に日々励んでいます。理系に進みたいけどどの学科にしようか迷っている、という人は、本屋で大学の専門書を立ち読みしてみるのも一つの手です。高校の教科書では省略されている部分に、その分野の本当の面白さが隠れているかもしれません。
大学での勉強は、暗記ばかりの高校時代に比べると何倍も楽しいです。もちろん苦手な分野の勉強は苦痛ですが、自分の興味のある分野についてはどこまでも深く学ぶことができます。図書館には数えきれないほどの専門書が並んでいますし、化学の最先端で活躍する先生方に聞きに行くことだってできます。やる気さえあれば、旧帝大と地方国立大でできることに差はないと思います。
私が所属している研究室では、金属イオンに分子やイオンが結合した「錯体」を専門としています。聞き慣れない言葉かもしれませんが、私たちの血液に含まれるヘモグロビンも錯体の一つです。研究室での実験は上手くいかないことがほとんどですが、得られた実験結果をもとに「次はこの条件で反応させてみよう。」と試行錯誤する過程が楽しく面白さを感じています。自分がいま創ろうとしている未知のものが、一体どのような性質をもち、そこからどのような機能が発現するのか。すでに知られていることを勉強するよりも、何が起こるかわからないことに期待しながら研究する方が楽しいと思いませんか?
勉強の話ばかりになってしまいましたが、大学生活はアルバイト、留学、サークル活動など、自分の好きなことに費やせる時間がたくさんあります。何を楽しいと思うかは人それぞれですが、自分の心に耳を傾け、興味のあることにどんどん挑戦して後悔のない大学生活を送ってほしいと思います。
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