2021年3月5日
私は、東京海洋大学海洋工学部海事システム工学科航海コースを卒業後、大学院に進学し博士(工学)を取得し、商船三井グループの(株)MOLマリンに入社し4年が過ぎようとしています。
MOLマリンは、船員の訓練や海底のケーブルを敷設するケーブル船の運航や海事コンサルティング等を行う会社です。
私の仕事は、船に関する様々な事に対してアドバイスを行うコンサルタントです。具体的には、港の建設計画や船が安全に入出港するためのシミュレータを使った基準作りや海上工事(埋立地や海底トンネル等)の安全対策の資料を作成し、関係官公庁の方や海域利用者の方へ会議で説明を行う事です。そして、私の博士論文の研究テーマにも関連性がある船の自動運転を目指す研究にも携わっています。
工学の中でも船に関する事全てが学べるのが東京海洋大学海洋工学部です。私の卒業した海事システム工学科は、航海士に必要な事を主に学ぶ学科です。工学の基礎に加えて、気象、航海計画、造船、航海計器、チームマネージメント等高校生の自分では想像も出来ない幅広い勉強をすることが出来ました。机上の勉強だけでなく、実際に練習船に乗っての航海演習や救命艇となるボートの練習等、頭も体も使った経験は、船員にならなかったからこそかけがえのない経験として役に立っています。
研究とは何かを実感する機会になるのは多くの人にとっては卒業論文ではないでしょうか。しかし、大抵卒業論文を書き上げる前に進路を考えなければなりません。私は、船の世界の広さと深さを少し感じ、もう少し勉強を続けたい気持ちで大学院進学を決めました。
今振り返れば研究には終わりはなく、永遠に登山を続けていくもののように思えます。高い山を登るために、準備や周囲の人の支えが必要不可欠だと思います。準備は学部の4年間の勉強、周囲の人の支えは指導してくださる先生をはじめ、助言をくれる先輩方、共に過ごす同級生や研究室の後輩になるのではないでしょうか。
研究の魅力は、論文を書くことで自分の発見を広く発表できることにあると思います。発表することで、山の頂上に到達するのと同じ達成感を感じることができる気がしています。
自分の研究や仕事が社会を少しだけ便利にするそんな日が来るのを夢見て日々の小さな積み重ねを大切に頑張ります。
将来目指している(目指していた)職業は何ですか? | 入学当初は外国航路の船乗りを目指していましたが、勉強と研究を続けていく中で現在の仕事に出会いました。 |
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工学部への進学を決めたのはいつごろ? | センター試験の半年前(理系への進学は高校1年生の頃に理系科目が好きだったため、決めました。) |
大学では何に力を入れて勉強(研究)していますか? | 船舶の運航支援をするために、リスク評価やデータの分析を研究しました。 |
男子が多くて良かったこと、困ったことは? | 男子の体力基準で体育や実技があったため、体力不足で風邪に罹りやすかった。男子と一緒にご飯に行くと高カロリーの食事が多くなり、太りやすくなること。 |
理工系で就職は有利だと思いますか? | 大学に入学する時点である程度専門が決まるので、的を絞って就活がしやすくなり、かなり有利だと思います |
文系の友達・知人と違うな~と思うところは? | フィーリングではなく、理詰めで話をするところ。 |
本音で言うと、文系タイプ?理系タイプ? | 文系科目も大好きな理系 |
高校時代に理数系の科目は得意でしたか? | 数学、化学が得意でしたが一番得意だったのは日本史でした。大学入学後、苦手な物理は友人たちに特訓してもらいどうにか単位を取得しました。 |
ニガテ科目克服法や勉強のコツは? | 基礎の説明が丁寧に書かれている高校生用や中学生用の参考書を使い、納得するまで反復して解くこと。 |
今一番興味があることは? | 車の自動運転技術です。船の世界でも自動化の流れがあるため、同じ乗り物でどんな事が可能になるのか日々興味津々です。 |
お気に入りのグッズを見せてください♪ | 夫からプレゼントされたネックレス、消える3色ボールペン(仕事の必需品です) |
工学部に来て大変なことは? | 自由時間が少ないこと。授業の予習復習とレポート、実習で他大学の友人と会う事やアルバイトの時間を確保することが大変だった。 |
工学部に来てよかった事は? | 答えが明確な勉強と明確でない研究や課題に取り組めたこと。 |
掲載大学 学部 |
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |