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生レポート!大学教授の声

機能性物質の開発:工学・化学的観点からのチャレンジ

2019年8月22日
名古屋工業大学 大学院工学研究科
中村 修一

 現在の日本人の平均寿命は、何歳かご存知でしょうか?

 2017年の統計では、女性が87.26歳、男性が81.09歳と世界トップクラスの長寿命国となっています。では、100年前の日本人の寿命は何歳でしょうか?驚くことに、100年前の日本人の寿命は概ね45歳です。この100年で平均寿命が40年ほど伸びたことになります。この平均寿命の延びは、程度の差はありますが、世界中で起きている現象です。では、なぜ、平均寿命が延びてきたのかというと、衛生環境や栄養状態の改善、医療行為の改善なども挙げられますが、最も大きな要因の一つに医薬品の進歩が挙げられます。100年前の3大死亡原因は、結核、肺炎、胃腸炎でしたが、最近では、これらの病気で死亡することは稀になってきました。医薬品で適切に治療することができ、ライフクオリティーの向上にも役立っています。

 皆さんは、この医薬品を研究する学科としては薬学部が中心と考えられがちです。しかし、医薬品のほとんどは、有機化合物でできていて、それらの大量生産が必要となることから、その合成技術に関しては工学技術の発展が非常に重要と言えます。実際、私が専門としている有機化学は、有機分子を機能性分子ととらえ、それらをどのように安全・安価に効率よく作るかを考え、工学部内で実際に医薬品の候補化合物の合成を行ったりします。世界の誰もが成功していない合成技術の実現を目指すなど、現在の人類が抱える課題の解決を目指しています。

 また、名古屋工業大学の生命・応用化学科では、医薬品候補化合物の合成研究だけでなく、化学の知識をベースにして、有機EL素子、DNA、タンパク質、プラスチックス、発光ダイオード、太陽電池材料、セラミックス材料、生体材料などの機能性物質の新規開発や効率的合成手法の開発研究などを行っています。こうした物質製造において、地球環境問題への対応など、まだまだ未解決な部分が数多く、これから大学で研究を行う学生たちの大いなるチャレンジが期待されています。あなたも、人類の役に立つ技術、研究を行いたいと思いませんか?工学・化学の発展は、それを可能にします。

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