はじめに
写真1 海上自衛隊のホバークラフト(出典:海上自衛隊HP)
ホバークラフトとは水面あるいは地面に高圧の空気を送り込んでわずかに船体を宙に浮かせて走行する乗り物です。日本では1971年に運行を開始した大分~大分空港間のものが有名です。しかし、公共交通機関としてのホバークラフトは2009年に廃止され、現在は海上自衛隊で輸送用としてのみ利用されています(写真1)。ホバークラフトの発明は、1957年にイギリスの電気技術者クリストファ・コッカレル氏が、ボートのスピードを上げようとしていろいろ工夫をした結果です。ではホバークラフトはどうやって動くのでしょうか?
ホバークラフトの原理
ホバークラフトを動かすためには、原則的に浮上用と推進用の2つの動力が必要です。浮上用は、船体の底にあるスカート部に下向きの高速気流を送り、その部分に圧力をかけます。ある圧力になると船体は少し宙に浮き、それ以上になるとスカート下部の穴から周囲に気流が流れ、まるで宙に浮いたような状態になります。推進用は前進させるためにプロペラで後ろに空気を送り、浮上用の3~5倍大きな動力を利用し推進力を得ています。
それでは、ホバークラフトを実際に作ってみましょう。
ホバークラフト製作に使用する材料・工具
工具類
- カッターナイフ
- サークルカッター
- カッターマット
- 定規(30cm以上のもの)
- 筆記用具(鉛筆、マジックペン等)
- はさみ
- コンパス
- セロハンテープ
- ビニールテープ
- 両面テープ(5mm幅程度のものが望ましい)
使用材料
- スチレンボード(B4サイズ):1枚
- モータ(マブチモーター FA-130RA):2個
- 3枚羽プロペラ(上記モータの軸に合うもので、直径8cm程度のもの):2個
- 家庭用ビニール袋(大きさ:35cm×25cm程度のもの):1枚
- アルカリ乾電池(単3):2本
- 電池ボックス(スイッチおよびコード付き):1個
ホバークラフトの作り方
スチレンボードへの作図
図1を参考にして、スチレンボードへ各材料を切り出すための作図を行います。ベース中央部の円を描くにはコンパスを使用するとよいです。
図面に書いてある数値の単位はmmです。
モータ台や台座などの寸法の詳細は、図2を確認してから作図して下さい。
図1 スチレンボードへの各材料切出し全体図
図2 モータ台・台座等の詳細寸法図
各材料の切り出し作業
注意事項
部品の切り出しにはカッターナイフを使用します。ケガ防止のため、刃の進行方向に指を置かないで下さい。またスチレンボードに対して、刃先は直角になるよう立てて切って下さい。
ベースを切り出した後、コンパスで描いた円形部分をサークルカッターでくり抜いて下さい。台座パーツを切り出したら2枚を1組にして、両面テープで接着したものを4組作ります(図3)。
図3 ベースの切り出しおよび台座の製作方法
モータ台を切り出したら、モータの取り付け位置となる箇所(モータ台の中央)に線を引いておきます。併せてモータ板、補強板、尾翼も切り出しておきます。
スカートの製作
ビニール袋に図4に示すように、袋の中央部分へマジックペンで角丸状に線を引いて下さい。線の記入後は、袋内の空気を十分に抜いた上で袋の口をセロハンテープでふさぎます。最後にビニール袋を4つ折りにして、角丸部分をハサミで切り落とします。
図4 スカートの製作方法
ホバークラフト上部分の組み立て
図5に示す①から⑥の手順に沿って組み立てます。
図5 ホバークラフト上部分の組立方法図
ベース裏側の組み立て
図6に示す1から3の手順に沿って、ベース裏側部分を組み立てます。
図6 ベース裏側の組立方法図
ベース表側の組み立て
図7に示す①から④の手順に沿って、ベース表側部分を組み立てればホバークラフトの完成(写真2)です。
図7 ベース表側の組立方法図
写真2 ホバークラフトの完成品例
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