金属の性質を見てみよう
2019年1月11日
岡山大学 工学部
機械システム系学科
はじめに
金属は硬くて強いイメージがありますが、身近な金属の性質を、簡単な実験で調べてみましょう。
用意するもの
- 直径1mmくらいのアルミ線、ピアノ線、番線、鉛線
ホームセンターで入手できます。鉛線がなければハンダ線で代用できます。
- ニッパー
- ライター
- コップ
- 水
実験1:曲げ戻し実験
- 約15cmのアルミ線と鉛線を手で曲げてみましょう。
どちらが軟らかいですか?
→鉛の方が軟らかいので弱そうです。
- 何度も曲げ戻しを繰り返してみましょう。
どちらが先に折れましたか?
→アルミです。鉛は弱そうにみえたけど折れそうにありません。
実験2:ピアノ線の焼入れ実験
- 15cmくらいのピアノ線を曲げてください。
- やけどに注意して、曲がったところをライターの火で赤く熱してください。
- 赤くなったら素早く水に入れてください。(焼入れといいます)
- 取り出して広げてみましょう。
→簡単に折れてしまいます。
実験3:ピアノ線の焼戻し実験
- 上と同じようにピアノ線を曲げて焼入れまでしてください。
- 水から取り出して、今度は赤くまでならないように、30秒くらいライターに近づけたり遠ざけて熱してください。
- 空気中で2分ほど冷ましてください。
- 広げてみましょう。
→今度はねばり強く折れません。
実験4:番線の焼入れ実験
- 同じ鉄の線ですが、今度は番線を使って実験2をやってみましょう。
→ピアノ線のようには折れません。
ねらい
- 実験1:アルミの曲げ戻しをすると段々と曲げにくくなることを感じますが、鉛ではいつまでも軟らかいままです。
- 実験2:刀鍛冶で真っ赤になった刀を焼入れするシーンをよく見ます。これは材料を硬くするためです。このときの硬さはガラスもキズがつくほどですが、すごくもろいのが欠点です。
- 実験3:適度な硬さとねばり強さを兼ね備えるために焼戻しを行います。
- 実験4:どんな材料でも焼入れで硬くなるわけではありません。
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