準備するもの
実験準備
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透明なコップの底面の中心に、画鋲で1~2mm程度の穴をあけます。画鋲で穴を開けるのが難しい場合は、キリやドリルを使用してください。
(注意:穴の大きさが大きすぎると、リズム現象が起こらなくなります。また、できるだけきれいな真円の穴を開けてください。)
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穴をあけたコップに、瞬間接着剤を用いて割りばしを付けます。
(注意:割りばしは、コップを透明容器に置いたとき、コップをささえるための装置です。コップが、できるだけ水平になるように、割りばしを付けてください。)
実験手順
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穴を開けていないコップに食塩(20g程度)を入れ、水道水100ml程度を入れた後、スプーンで完全に食塩が溶けるまでかき混ぜます。その後、リズム現象を見やすくするために赤色のインクで色を付けます。
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コップの穴を、つまようじで栓をします。
- 栓をしたコップに、赤色の食塩水を入れます。
- 赤色の食塩水が入ったコップを、透明な容器に置きます。
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赤色の食塩水を入れたコップの水面と同じになるまで、透明容器に水道水を入れます。
- つまようじを取り去り、リズム現象を観察します。
実験結果
つまようじを取り去ると、赤色の食塩水がコップから下に流れ出します(図(a)(b)(c))。この現象がしばらく(数秒から数十秒)続いた後、下向きの流れが突然止まり、水道水がコップに流れ込む上向きの流れが起こります(図(d))。この上向きの流れがしばらく続いた後、再び下向きの流れが始まります。このリズム現象は、数十回から数百回続きます。
図 リズム現象の様子((a) → (b) → (c) → (d) → (a)の順に観察できます)
原理
食塩水によるリズム現象が起こる原理は、食塩水と水道水の重さ(密度)の差及び水面の高さの差(図)によって生じる力(静水圧)の絶妙なバランスによって起こります。リズム現象の具体的なメカニズムは、次の通りです。
- 食塩水は水道水より重いので、コップの穴から下に流れ出します。
- 食塩水がコップから流れ出すと、コップの食塩水の水面の高さが透明容器の水道水の水面の高さより低くなります。
- 水面の高さの差が、コップに水道水を流れ込ませる力を作り出します。
- コップに水道水が流れ込むと、水面の高さの差が小さくなり、コップに流れ込む水道水が止まります。
- コップの食塩水の水面の高さと透明容器の水道水の水面の高さの差が小さくなると、食塩水は水道水より重いので、コップから食塩水が下に流れ出す現象が再び始まります。
図 水面の高さの差
(コップに水道水が流れ込む様子)
①~⑤の現象が、水道水と食塩水の食塩濃度差が小さくなるまるで続きます。