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近年の発達が目覚ましい大規模言語モデルは、訓練データを単に記憶するだけでなく、知識に一般化した上でそれを活用しています。ともすれば人間の学生の方が、単に暗記しただけで理解したと勘違いし、学んだ内容を十分に一般化できないまま期末試験を何とか乗り越えて単位を取得してしまうこともあります。 このため、10年ほど前よりアクティブラーニングを導入しており、その成果を活かした教材の開発にも取り組んでいます。これらの活動が評価され、数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムの特定分野校にも選定されています。
ここでは、アクティブラーニングを通じて学生に考えることを促す講義の1つである「人工知能」を紹介します。
この講義は、工学部の3年生を対象としたもので、反転学習の手法を取り入れ、講義時間中はグループ学習のみを行う形式を採用しています。フレームワークやライブラリを活用した実践的なプログラミングは他の科目に委ね、本講義では人工知能(AI)の根底でどのような計算が行われているかを学びます。探索、最適化、機械学習、自然言語処理等におけるもっとも基礎的な技術を、そのアルゴリズムを手作業でトレースする演習と、プログラムを実際に記述する演習の両面から取り組みます。これにより、単なる知識の暗記ではなく技術の仕組みの理解を促します。
なお、グループ学習を成功させるために、学生の性格や能力を考慮した組合せ最適化によりグループを編成するなど、グループ編成に注力するようにしています。各回のグループ学習の効果を学生間の相互評価によるアンケートで測り、効果が薄いグループについては翌週に組み替えます。また、各回のレポートは学生1人1人に作成を求め、個々の学生にフィードバックを行います。
実際の講義では、各グループ内で活発な意見交換が行われ、互いに教え合いながら理解を深める姿が見られます。学生同士の対話を通じて知識の確認や定着が自然と行われるため、受動的な学習に比べて高い学習効果が得られています。また、こうした能動的な学びの姿勢は、4年次以降に本格的に取り組む卒業研究に向けた土台づくりにもつながっています。主体的に課題を見つけ、仲間と協力して解決に取り組む経験は、研究活動に必要な探究心や問題解決能力の育成にも寄与しています。人工知能という先端分野を扱いながら、技術の本質的な基礎を理解する学びの姿勢を培う本講義は、多くの学生にとって貴重な成長の機会となっています。
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