水の色や濁りの程度を調べる比色計を自作する方法を紹介します。
材料 | 数量 |
---|---|
2つ以上の仕切りがついた小物入れ(およそ縦8 cm、横12 cm、高さ 6 cm;100円ショップで購入) | 1 |
ミノ虫クリップ | 4 |
1/4W炭素皮膜抵抗(100 Ω) | 1 |
緑色発光ダイオード | 1 |
赤色発光ダイオード | 1 |
CdS(硫化カドミウム)素子 (例えば、浜松ホトニクス社P201D-5R) |
1 |
スイッチ | 1 |
6V乾電池ホルダー | 1 |
単3電池 | 4 |
プラスチック製セル | 数個 |
リード線 | 適量 |
段ボール紙(厚さ約8mm)、厚紙(約1mm)、アルミホイル | 適量 |
ビニールテープ、セロハンテープ、電子工作用ハンダ | 適量 |
デジタルテスター | 1 |
(電子部品は、ホームセンター、電子部品店、科学教材を扱うお店で購入できます。デジタルテスターを除くと総額で1000円程度です。)
小物入れから仕切り板を取り外し、仕切り板と同じ大きさに切り取った厚紙2つをつくります。図は一例です。
厚紙の仕切り板の中央部の下から2 cmの箇所に穴を開けます。穴の大きさは、1枚は発光ダイオードを、もう一枚には硫化カドミウム素子をはめ込むサイズにします。
中央にプラスチックセルが入る穴(1.4 cm × 1.4 cm)を開けた四角い筒(断面積 1.4 cm × 1.0 cm)を厚紙で作成して、内部にアルミホイルを貼り付けます。図は設計図の一例です。小物入れとセルのサイズに合わせて作成して下さい。
セル台と容器のフタをダンボール紙で作成し、セロハンテープで容器に固定します。また、③で作成した四角い筒をセル台の上に固定します。
硫化カドミウム素子にミノ虫クリップをハンダ付けします。硫化カドミウム素子は仕切り板にセロハンテープで固定します。
電池ホルダーに炭素皮膜抵抗とスイッチ、ミノ虫クリップをはんだ付けします。発光ダイオードを仕切り板の穴にはめ込み、ミノ虫クリップをつなぎます。
できあがり!!
硫化カドミウム素子をデジタルテスターにつなげて、デジタルテスター、発光ダイオードのスイッチをONにします。
プラスチックセルに試料水を入れて、セル台にセットします。
比色計のフタを閉めて、デジタルテスターで抵抗値を読み取ります。色や濁りが濃くなるほど、値が大きくなります。
簡易比色計では、発光ダイオードからの光を試料水の入ったセルに通して、硫化カドミウム素子で数値(抵抗値)に変換します。試料水の色や濁りが濃くなると、セルを透過する光の強度が小さくなり、抵抗値が大きくなります。
アルミホイルを付けた筒の内部では、発光ダイオードからの光が反射して、ほぼすべての光が硫化カドミウム素子まで到達します。作り方3)では、筒や穴の大きさを調整して光がもれないように工夫してください。この工夫によって、試料セルや電子部品の位置が多少ずれても安定した測定を行うことができます。
発光ダイオードの色を変えていろいろな水の色を調べてみよう。
試料水の成分を調べるために、いろいろな化学試薬が市販されています。自作した簡易比色計と組み合わせれば、いろいろな化学成分の濃度を正確に測定することができます。
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