高校生のみなさんは、工学部へどのようなイメージがありますか?私は、高校生の時、「工学部は、専門性は高められそうだけど、卒業後の進路選択の幅が狭そうだな。」と思っていました。けれども、就職活動を経て、社会人になり、このイメージは全くの誤りだと気づきました。
私は、大学では、数学や物理、化学などの普遍科目を重点的に学び、その後、レーザーの研究に取り組みました。レーザーを有機材料にあて、材料がどう変形するのか、顕微鏡で観察しました。研究の成果をドイツの会議で発表したり、海外の雑誌に論文を投稿したりしました。
就職の時期になり、「どんな仕事をしたいだろう?」と考えたとき、大学の専門とは異なるけれども、ITサービスの開発に携わりたいと思いました。その希望が叶い、いまは、人と自然な会話ができる対話システムの開発をしています。世間では、人工知能と呼ばれることもあります。私は、対話システムの中でも、音声分析の部分を担当しています。どのような人が、どのような意図で話しかけているのかを分析することにより、システムへ、人の気持ちへ寄り添う“心”を与えることができます。
このように大学の専門と別の分野の仕事に就けるとは、高校生の時は、思ってもいませんでした。私が特別なのではありません。大学の友人や先輩にも、そのような人がたくさんいます。システムのメーカーや鉄道会社、空港、研究機関、映像制作会社、新聞社、公務員…など、本当に様々な道へ進む人がいます。
工学部出身者は、多くの業界から必要とされており、進める道は無限にあります。なぜでしょうか?私は、工学部では、「ビジネスでも通用する普遍的なことを数多く学べるから」だと考えています。
例えば、普遍科目である数学などは、自然科学の分野でも、ITの分野でも、どこの世界でも共通します。また、大学の研究では、仮説を立て、実験をし、結果を自分の言葉で資料にまとめ、人前でプレゼンテーションします。英語の論文を読むことや、海外の研究者とディスカッションすることもあります。これらの訓練で身に付く、「物事の考え方」や「資料作成」、「プレゼンテーション」、「英語」のスキルは、社会でも当然役に立ちます。
工学部は、あなたの可能性を、無限に広げてくれます。迷わず、一歩を踏み出してください。
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