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なんでも探検隊

映像利用の新たな展開を生み出す動的メディア技術

2017年1月20日
群馬大学 理工学部
ラリー中の卓球の映像 飛行機のドローンの映像

インターネットで動画が手軽に見られるようになり、またスマートフォンの普及で動画の撮影も簡単になったことから、動画がより身近なメディアとなってきています。このような動画は多くの場合、人間がカメラを操作して行っています。しかし、例えばサッカーや野球のようなスポーツ中継の場合、対象が激しく動き回るので、対象にクローズアップした画像の撮影はとても難しくなります。これは、カメラマンが高速な対象に合わせてカメラを操作できないからになります。そのため、広い画角で視線をゆっくり動かしながら全体の状況を撮影するか、もしくはある程度予測に基づいてカメラの方向を変えて、たまたまうまく撮影できたシーンを選択的に放送するなど、 撮影可能な構図が限られてきました。

しかし、もし人間よりもはるかに高速に対象を認識してカメラを操作できるロボットがいれば、このように従来撮影が難しかったシーンでもより迫力ある動画像が撮影できるはずです。そこで、当研究室ではこのようなロボットカメラの実現を目指して、(1)高速に対象を認識する高速画像処理・人工知能技術と、(2)認識結果に合わせて高速に撮影条件を変えられる新しいカメラシステムを開発しています。

写真で示すのは、回転する鏡を利用して超高速に視線を変更できるカメラシステムを利用して、ラリー中の卓球の球や飛んでいるドローンを観察した結果です。ここでは卓球の結果に注目して説明します。ご存知の通り卓球のラリーでは球が高速に二人のプレイヤー間を行き交いますが、その球を常に画面の中心に捉えた映像を計測できていることがわかります。この映像を実際に見ると、卓球の球の回転のかかり具合や、例えばラケットで打撃されたときにその回転がどのように変化するのかなどが手に取るようにわかります。このことから、これまでの中継ではわからなかった、球の回転を駆使するプレイヤー間の駆け引きまでも視聴者に届けることができる新しい中継映像の実現が期待されています。これらの動画は動画公開サイト(Oku Laboratory Channel: https://www.youtube.com/channel/UC7vJ6ckgT_bnXzKTnWMGuPQ)で公開しています。

群馬大学理工学部電子情報理工学科の奥研究室では、画像処理技術、人工知能技術、光学デバイス技術などを駆使した動的な映像利用技術を研究し、映像メディア、バーチャルリアリティ、ロボットビジョン、次世代モビリティ等の分野におけるブレークスルーを創出することを目指しています。あなたも一緒に未来の映像情報技術を創りませんか?

奥研究室webサイト:http://www.okulab.cs.gunma-u.ac.jp/

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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