2015年12月21日
小さい頃から、両親に連れられてよく美術館に行きました。その影響で私自身も、美術やデザインが大好き。特に、作品の美しさにはもちろん魅せられますが、どういった技法でその美術作品が製作されているかという仕組みを紐解くのが一番楽しい瞬間です。だから、進学を意識したときにデザイン工学科が頭に浮かんだのは私にとっては自然な流れでした。デザインで人や社会にどう貢献できるかを学びたくて、千葉大学工学部デザイン工学科意匠系に進みました。
大学には、デザイン、力学、心理学など各分野の専門家の方が集まっていて、視野が大きく広がりました。驚いたのは、座学よりも実習が多かったこと。模型作りに明け暮れていました。デザイン心理学を専攻して、企業との共同研究で、広告における「文字の大きさ、間隔レイアウト」等がどう読みやすさに働きかけるかを研究しました。研究を進める上で一番苦労したのは実験からの「慣れ」の排除。人間には「慣れ」という特性があり、同じレイアウトで実験するとそれが結果に影響してしまいます。この「慣れ」を、どう広告やデザインに活かすかも考えていました。
また、学業以外では、華道部に入部したり、美術館の監視員のアルバイトをしたりしました。特に華道は、空間デザインという観点からも興味深かったです。
そして、人や社会に貢献するために、人間の特性に合ったモノづくりを突き詰めたいという思いから、株式会社東芝の研究開発センターに入社しました。今は画像認識技術を研究しています。入社してからも勉強の日々ですが、大学で学んだ実験の組みたて方、条件作り、考察の仕方はそのまま適用することができました。周りの先輩もみんな専門家ですが、気さくに相談に乗ってくれるので、伸び伸びと仕事をしています。
今でもデザインには興味津々で、最近は日本画や水墨画にはまっています。白と黒だけで、ぼかしやたらしこみ、にじみによって立体表現ができるのが面白くて、オフのときは暇さえあれば美術館をめぐる日々。良いリフレッシュにもなります。
工学系への進学理由は? | 建築・デザインに興味があり、それが学べる学科があるのが工学部だったため。 |
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大学では何に力を入れて勉強(研究)していましたか? | 大学では、デザインの評価を研究していました。人間の特性から、良いものを明らかにしたいと思っていました。 |
入学前と、入学後、工学部のイメージの違いは? | 大学は座学(学問)中心かと思っていたので、ほぼ実習だったことが驚きでした。 |
女子が少なくて困ったことは? | 大学では思っていたよりも女子率が高かったのであまり気になりませんでした。 |
ニガテ科目克服法や勉強のコツは? | 今対象としている問題よりも、難しい問題を解いて、解説を読む。理解できなくても、それをして元の問題に戻ると理解できていることが多かったため。 |
今一番興味があることは? | 絵画(特に日本画) 線やたらしこみの滲みによる立体表現など(どうしてそう見えるかも含めて) |
工学部に来てよかった事は? | 対象としている幅が広かったこと。入学前は心理学の先生の下で研究することになるとは想定していなかった。どういったアプローチで取り組むのが向いているか分かった上で専門(研究室)を選べたこと。 |
掲載大学 学部 |
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |