トップページ > 生レポート!大学教授の声 > 工学のすゝめ

生レポート!大学教授の声

工学のすゝめ

2015年6月10日
熊本大学 大学院
自然科学研究科 マテリアル工学専攻
松田 元秀
工学のすゝめ

“産業革命”、英語では“Industrial Revolution”です。ご存じのように、18世紀半ばから19世紀にかけ起こった産業の工業化による社会構造の変革を示す言葉です。工学が関係する分野の発展が当時の人々の営みを大きく変えました。同じように、今日の私たちの社会でも工学はきわめて重要な役割を担っています。

工学に属する分野は広く、機械工学や電気電子工学など様々です。私の所属するマテリアル工学科では材料工学を基軸とする教育と研究が行われています。材料工学は多くの産業の基幹技術であり、全ての産業を支える分野として私たちの社会に貢献しています。皆さんが日常使用しているスマートフォン。外見からはわかりませんが、中には沢山の電子部品が搭載されています。たとえばコンデンサ(一組の電極の間に誘電体と呼ばれる材料が挿入された電子部品)だけでも、1台当たりなんと500~700個程度搭載されているのです。スマートフォンに搭載されているコンデンサには優れた誘電特性を示すセラミックスが使われています。さらにそのコンデンサは誘電体層と電極が多層に積層された複雑な構造となっています。優れた誘電特性を示す材料の開発と、それらを多層積層化する高度な材料加工技術の開発はスマートフォンには欠かせない技術となっています。

工学が関係する分野は今後ますます重要度が増すと考えられています。これからは、特に環境や福祉への貢献が必要とされるように、地球環境や人に優しい工学がこれまで以上に重要な役割を演じると期待されています。皆さんの中で一人でも多くの方に、工学の立場から、より良い社会づくりに取り組んでいただきたいと思います。21世紀型の“工業革命”を目指して。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2022-02-04

生レポート!大学教授の声

生き物を利用したモノづくり

東京農工大学工学部

2021-09-10

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

「まずは選んでみて、やってみる」が道をひらく

宇都宮大学工学部

2021-11-19

環境への取り組み

環境に優しいロボットの実現を目指して

電気通信大学情報理工学域

2023-01-27

Pict-Labo

グラフェン被覆アルミニウム粉末を用いた高熱伝導焼結合金の開発

宇都宮大学工学部

2022-04-08

生レポート!大学教授の声

へそ曲がりのすゝめ

和歌山大学システム工学部

2011-01-28

生レポート!卒業生の声

技術者・研究者を目指す皆さんへ

香川大学創造工学部

熊本大学
工学部

  • 土木建築学科
  • 数理機械工学科
  • 情報電気電子工学科
  • 材料・応用化学科
  • 半導体デバイス工学課程

学校記事一覧

生レポート!大学教授の声
バックナンバー

このサイトは、国立大学55工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。